大煌工業、極東開発工業、大林道路の3社は、ダンプトラックのボディに計量装置を搭載し、積載重量を表示することが可能な「スケールダンプ」を改良。新たにシャフト式ロードセル(計量装置)を搭載した新型「スケールダンプ」として発売すると発表した。発売時期は2023年春頃の予定だ。一体どんな製品なのか?
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/極東開発工業
計量装置付きダンプ初の計量精度1%以下を実現
スケールダンプは、国内初(極東開発工業調べ)の計量装置付きダンプトラックとして2019年に発売。過積載の防止を図るとともに、車両の定積載での安全運行をサポートできる点が、近年の安全指向やコンプライアンス重視の観点から評価されている。
一方、新型は新たにボディ一体構造のシャフト式ロードセルを車両4箇所に設置。これにより計量装置付きダンプトラックとしては初となる計量精度1%以下(平地/停車状態)の超高精度と、重心のズレにも対応した積載量の正確な計測を実現した。
また、独自設計のフレーム構造で車両全高を低減したり、簡単な操作で瞬時に計量と車内外表示を可能とするなど、作業性も大幅に向上した。
なお、新型スケールダンプは「2021年度グッドデザイン賞」を受賞し、「グッドデザイン・ベスト100」にも選出された「10t大型リヤダンプトラック耐摩耗鋼板(HARDOX)仕様」にもオプション設定される。
新型スケールダンプの特徴
●新型ロードセルの採用で計量精度1%以下を実現
新型のシャフト式ロードセルの採用により、計量装置付きダンプトラックとして初となる平地/停車状態での計量精度1%以下の超高精度を実現。
●重心のズレに対応した正確な計測を実現
ボディ一体構造とし、4箇所に配置したロードセルによる4点支持で計量することにより、荷重を直接計測でき、積載物や積載位置、さらに路面の状況による影響を低減。これによりロードセルへの荷重を安定させ、重心が前後左右にズレても積載量の正確な計測が可能。
●標準車と同等の車両全高を実現
独自設計のフレーム構造により、標準の10t車級ダンプトラックと同等の車両全高を実現。
●簡単操作で瞬時に計量/表示
エンジン始動後、キャブ内の表示器スイッチをONにし、風袋ボタン(ゼロ点合わせ)を押すだけですぐに計量を行なうことが可能。ボディ上部にも視認性の高い大型表示器を配置することで、積載作業時の計量結果が確実に把握できる。
●社会的課題解決に貢献
スケールダンプの活用により、過積載の防止や輸送効率の向上を図ることが可能となる。また、環境への配慮にもつながり、社会的課題解決の一助としても貢献する。
・過積載防止のメリット:労働環境の改善/事故防止/車両長寿命化/インフラ(道路、橋梁等)の長寿命化/メンテナンスコスト(タイヤ等)の低減
・輸送効率向上のメリット:働き方改革/長時間労働の抑制/ドライバー不足への対応/消費燃料の低減(燃費向上、排ガス減少)
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