ついに最高速120km/h解禁!! 今後拡大はあるか? 高速新時代の課題と見通し

今後最高速120km/h区間の拡大はある? その最有力は?

今回、最高速120km/hとなる新静岡―森掛川間を含め、新東名では伊勢原JCT―豊田東JCTまで6車線完成時の設計速度は120km/h。このうち御殿場-浜松いなさ間は、構造物がすべて6車線で建設されており、現状でも設計速度は120km/hだ(出典:国土交通省)

 引き上げは、設計速度が120km/h以上であることが最低条件だが、最有力候補は新東名・新名神となるのが自然だ。なにしろ新東名・新名神は最急勾配2%、最小曲率半径3000mで、ドイツなら間違いなく速度無制限区間になるような道路だからだ。

<新東名>
海老名南JCT-伊勢原JCT:設計速度120km/h
伊勢原JCT-豊田東JCT:設計速度120km/h(140km/hを担保する構造)

※厚木南-伊勢原間は2019年3月17日に開通、伊勢原-御殿場間は建設中。

<新名神>
新四日市JCTー城陽JCT:設計速度120km/h(140km/hを担保する構造)
城陽JCTー神戸JCT:設計速度120km/h

※新四日市-亀山西間は2019年3月17日に開通、大津-高槻間は大部分が建設中。

 ただし、この設計速度、御殿場-浜松いなさ間を除くと、すべて6車線完成時の数字。現状は暫定4車線のため、設計速度は100km/hとなっている。つまり、現状のままで制限速度が120km/hに引き上げられることは「ない」ことになる。

 しかし、御殿場-浜松いなさ間だけは、暫定4車線(一部6車線)ながら、構造物がすべて6車線で建設されており、現状でも設計速度は120km/h。しかも2018年8月に全線6車線化が決定し、すでに着工している。完成は2020年夏頃になりそうだ。

 これが完成すると、御殿場-浜松いなさ間は実質的に設計速度140km/hとなり、時期的にも、120km/hへの引き上げ区間に最適となる。まずは現在の新静岡-森掛川間を含む御殿場-浜松いなさ間(145km)が、制限速度引き上げの対象になるのではないだろうか。

実は多い「設計速度120km/h区間」 今後の展望は?

3月1日より最高速120km/hとなる新東名・島田金谷IC付近。同区間を始め「設計速度120km/h」となっている高速道路は数多く存在する

 では、その他の設計速度120km/h区間はどこか。

<設計速度120km/h区間>

道央道/登別室蘭-札幌南、札幌-岩見沢
東北道/平泉前沢-盛岡南、浦和料金所-佐野藤岡
常磐道/三郷料金所-日立南太田
関越道/川越-渋川伊香保
東関東道/千葉北-佐原香取
新空港道/成田JCT-新空港
中央道/三鷹料金所-八王子
東名/横浜町田-秦野中井、岡崎-小牧
名神/小牧-養老、彦根-甲良、秦荘-蒲生、栗東-大津
北陸道/木之本-長浜
九州道/大宰府-久留米

 これらのうち、交通量の多い大都市近郊部や、連続距離の短い区間は除外される可能性が大と見る。その他諸々の条件を加味して推測すると、追加有力候補は次のようになる。

道央道/登別室蘭-札幌南
東北道/平泉前沢-花巻南
東北道/加須-佐野藤岡
常磐道/谷田部-日立南太田
関越道/東松山-渋川伊香保

 このように、地形の影響もあって東日本に集中してしまう。

 ただ、新名神の亀山西-大津間も6車線化が決定し、2022年度から順次完成する見通しになった。それが完成すれば、当面はここが西日本唯一の120km/h区間になる可能性が高いのではないか。

 いずれにせよ、警察のやることなので、すべてがゆっくり慎重に行われるはずである。

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