まだまだ雪深い地域も多いかと思いますが、関東ではなんだか春のような陽気に満ち溢れることも多い2019年3月初旬。
そんななかでクルマのオーナーが気になるのがスタッドレスタイヤの使用限度ではないだろうか。
このまま夏まで履きつぶすのか、それとも来シーズンも使うのか。実は知っているようで知らないスタッドレスタイヤの使用限度。
そこで今回はスタッドレスタイヤとしての使用限度、そして3月からあえてスタッドレスタイヤを買うとお得になるテクニックを教えてもらいました。
文:国沢光宏/写真:ベストカー編集部
ベストカー2019年2月26日号
■冬タイヤとしての使用限度とタイヤ自体の使用限度は違う
「スタッドレスタイヤはどこまで使ったらいいのか?」というテーマ、けっこう悩みます。
優等生的に答えるなら「冬用のスリップサインが出てきたところまで」ということになります。
冬用のスリップサイン、本来のスリップサインより浅い場所に設けてあり、ここまで使うと圧雪路の性能が厳しくなる。
冬用タイヤにゃ使えないが、夏用タイヤとしてなら車検も取れる。そろそろスリップサイン出るなら、夏タイヤとして履きっぱなしでOK。
「減り」に関しては迷う余地なし。経年劣化だとどうか? 皆さん「10年前のスタッドレスタイヤじゃダメ」というイメージを持っていると思う。
けれど案外使えたりする。ご存知のとおり同じ冬道でも、圧雪とアイスバーンはグリップの仕組みがまったく異なります。
雪にタイヤのパターン残るような圧雪は、長靴のごとくエッジでグリップを発生させる。したがってキッチリと山が残っていれば、古いタイヤや格安の新興国製スタッドレスタイヤでも案外イケちゃう。
けれど経年劣化したり、新興国の格安スタッドレタイヤ(欧米ブランドの舗装路重視スタッドレスタイヤも同じ傾向)は凍った途端にお手上げ。
アイスバーンの表面はアイスペールの中にある氷と同じで、表面にある水の膜で滑る。アイスバーンでグリップさせようとすれば、タイヤのゴムで水分を吸収したり、タイヤのゴムをソフトにして氷面に密着させるなどのアプローチをしなければならない。
古タイヤだとゴムが硬化してしまい、密着させられない。例外はブリヂストンやヨコハマのように発泡ゴムを使ったスタッドレスタイヤ。
経年劣化に強い。もちろん3シーズンくらい使ってると性能的には落ち始めるものの、5シーズンくらいなら充分使えると思っていいだろう。
ということで発泡ゴムのスタッドレタイヤに関して言えば、冬用のスリップサイン出た時が交換のタイミングと考えていい。
■溝があっても製造年月をチェックして使う習慣を
タイヤの側面にマーキングされている製造年月日をチェックし、生産後6年までなら実用的な性能を確保出来ていると思う。
発泡ゴム以外のスタッドレスタイヤは、保管方法にもよるけれど3シーズンまでが旬だと思えば間違いなし。
4シーズン目以降、アイスバーンに出くわしたら慎重な走りをしたほうがいい。
磨き込まれた夕方のミラーバーンなどは、鮮度の高い高性能スタッドレスタイヤと、硬化の始まった平均的なスタッドレスタイヤの制動距離、誇張なく2倍になることも。
同じタイミングでブレーキ掛けたら前のクルマに追突します。
4シーズン目くらいの平均的なスタッドレスタイヤを履いていて、冬用のスリップサインが近ければ、シーズン終了間際に買い換えという手もある。
スタッドレスタイヤ、季節商品のため売れ残ると半年以上在庫になるし、1年古くなる。鮮度も性能のひとつだからして、ウルサイお客は新しい方を選ぶ。
そんなこんなで3月に入って在庫持っているタイヤ屋さんは割安で販売する傾向。優れたスタッドレスタイヤを安く買えます。
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