夜間や休日に満車状態が続く、高速道路のサービスエリア(SA)、パーキングエリア(PA)。これを解消をするべく、道路会社や有識者が検討会を実施した。予約制、有料化、立体化など様々な案が出されたが、本当に抜本的な改革になるのか・・・・・・?
文/沼尾宏明、写真/高速道路SA・PAにおける利便性向上に関する検討会
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乗用車は2時間、中大型は10時間以上で有料を検討中
全国の高速道路にSAとPAは852か所あるが、慢性的に駐車マスが不足気味だ。大型車は、平日で全体の約5~7割、休日で全体の約1~2割の箇所で駐車マスが不足している。東京方面は首都圏近郊、名古屋方面は名古屋都市圏に近づくにつれ、深夜時間帯を中心に混雑。東京方面の混雑は特に顕著で、都市圏に近づくほど休憩施設は混雑している。
乗用車などの小型車は、平日&休日とも全体の約2割の箇所で駐車マスが不足し、特定のSA&PAで混雑が見られる。
こうした事態を改善すべく、2023年2月、SA&PAの利便性を向上を図る中間とりまとめが発表された。検討会は「高速道路SA・PAにおける利便性向上に関する検討会」との名称で、日本高速道路保有・債務返済機構やNEXCO3社、外部有識者などから構成される。
多数の案が発表されたが、まず驚きなのは「駐車マスの予約・有料化」の検討だ。従来ごく一部で実施されていたが、混雑するSA&PAに有料駐車マスを整備。法的整理を行った上で順次導入し「最終的には混雑する路線の休憩施設はすべて有料化」するという。
その際、短時間(例えば2時間以上)の駐車を有料化し、休息が必要な長距離ドライバーは10時間まで無料にすることを検討している。
とりまとめでは「有料化に抵抗を感じる利用者が近隣の無料のSA・PAへ流出することが想定されるため、導入にあたっては、近隣のSA・PAを含め確実な駐車機会が確保可能となるよう、利用の偏りに留意した十分な検討が必要である」と慎重さも見せるが、東名や新東名など混雑する路線は導入される可能性があるだろう。
30分毎に120円、実験で有料化したらガラガラに
2023年2月まで行われた有料エリアの実態を見てみよう。東名の豊橋PAで社会実験として導入された予約&有料エリアは、全長13m以内の「中型/大型」駐車マスが10台分(うち1台は定期利用)、同25m以内の「特大/ダブル連結トラック」が9台分(うち3台は定期利用)。ETC2.0搭載車両が条件で、事前の会員登録やクレジットカードでの決済が必要だった。
中型/大型では0~3時が課金対象となり、予約開始から60分間は無料。以降30分毎に120円が課金される。定期利用は月1万円だ。
特大/ダブル連結トラックは20時~翌日5時までが課金対象で、こちらも予約開始から60分は無料、そのあとは30分毎に250円が課金した。こちらのみ最大料金が1000円に設定されており、定期利用は月2万円。
なお予約開始時刻の3時間前までのキャンセルは返金される。
予約制の社会実験は2019年4月から開始。当初は無料で実施し、2021年5月から有料に切替えた。無料実験終了直前は、ほぼ満車状態だったが、有料化されて以降、利用台数が減少。無料時に利用していた48社のうち、有料化後も利用していたのはわずか3社のみ。つまりガラガラになってしまったのだ。
また、無料、有料の期間いずれも予約したが利用しない、空予約のユーザーが3割程度存在していた。実際に予約制を導入した場合、同様に空予約をするケースが続出すると思われる。
コメント
コメントの使い方運行管理上は都心部での休憩は避け4時間毎30分の法律で定められた休憩に限定。8時間休息は都心外で。一番の問題は大型マスに一般車両が駐車すること。一般車両のマスを複数使っての駐車を余儀なくされ何度もクレーム受ける。誘導員を配置。緑ナンバー以外の流入規制。物理的に自由に駐車できるようでは意味がないかも。
豊橋PAの社会実験、有料化もあるが、ETC2.0の利用率の低さもあるんだろうな