唯一のエコカー減税対象は…
いっぽう今回の燃費公表でも、唯一のエコカー減税対象車となるのが「プロフィア・ハイブリッド」(A09Cエンジン+パラレル式ハイブリッドシステム)である。こちらには排ガス記号「2NG-」が付与された。
「2NG-」とは、「平成28年排出ガス規制適合・2015年度重量車燃費基準プラス5%超過達成のハイブリッド重量車」を意味し、自動車重量税の50%軽減措置の対象となる。
とはいえ、型式取消時点では「2SG-(同プラス15%超過達成)」で重量税の免税対象だったため、その減税幅は半分となっている。また、いまの国交省燃費審査値「4.25km/L」は、純ディーゼル車でいえば2PG-相当で、ハイブリッドの優位性を訴求しにくい状況にあることは否めない。
税制優遇分はどうなった?
ところで、「型式取消以前のエコカー減税ぶんはどうなるのか?」という疑問も当然でてくるだろう。結論からいえば、そこは国への追加納付という形で、日野が差額を納付している。つまり当該車の所有者(自動車検査証の交付等を受ける者)が追納を求められることはない。
日野の差額追納は当然のこととはいえ、その金額は決して小さなものではない。2月2日発表の日野の2023年3月期第3四半期決算では、特別損失284億7400万円を計上しているが、そのうちの約半分にあたる141億1000万円が「排出ガスおよび燃費に関する税制優遇追加納付費用」となっている。これが「エコカー減税対象車」として販売した新車の税制優遇ぶんとされている。
なお、3月1日現在では、A09Cエンジン・235kW=320馬力仕様と、4×2車型「FH」など一部車型は公表されていない。このほか燃費一覧に記されている「HZ」「HF」は、大型除雪車など特殊車両用の総輪駆動シャシー(6×6と4×4)で、かつOEM受給車(UDトラックス製)のため、燃費値の変更はない。
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