リーフ再生バッテリーに新活路! 1週間電力供給!! 災害避難にもキャンプにもEVの時代

■日本での再生バッテリーの現状はいかに?

(TEXT:永田恵一)

【再生バッテリーの出荷状況は?】

日産では2018年3月26日にリーフの使用済みバッテリーからコンディションのいいものを集め、バッテリーが劣化した24kWhの先代リーフに再生バッテリーを搭載するという有償交換プログラムを発表している。

再生バッテリーを搭載するとバッテリー容量は、メーター内のバッテリー残量計の外側にあるバッテリー容量の表示が新品で12セグメントに対し10セグメント(72.5~78.75%)への回復が保障される。

福島県浪江町にあるリーフの再生バッテリーを生産する工場。ここから日本のEV再生バッテリーの新時代がやってくるはず

なお再生バッテリーを生産する工場は東日本大震災で甚大な被害を受け、テレビ番組「鉄腕DASH」の人気コーナーのDASH村があった福島県浪江町にある。

さて再生バッテリーの有償交換プログラムが発表され約1年が経った現時点での先代リーフへの交換用の再生バッテリーの販売台数は、日産広報部によると日本国内で約100台だという。

約100台という販売台数はバッテリーの劣化で航続距離が短くなり、「そろそろバッテリーを交換したい」と考えたくなる7~8年落ちの先代リーフは日本に2万台程度。

そのうちの100台と考えると予想以上に少ない印象だ。この理由は再生バッテリーの有償交換プログラムのPRが進んでないこと。

さらに24kWhの再生バッテリーの価格が30万円なのに対し、新品だと65万円なのでバッテリー交換による回復度合いを考えると再生バッテリーを選ぶ人があまりいないといったことが筆者には浮かぶ。

どちらにせよ再生バッテリーの現状は少し厳しそうだ。

【 再生バッテリーに大容量版はラインナップされるのか?】

中期型までの先代リーフが搭載していた24kWhのバッテリーの価格は再生、新品ともに前述した通りだ。

今後のこととして気になるのが先代リーフの後期型で加わった30kWhと、現行リーフの標準モデルの40kWhの再生バッテリーの価格(新品は30kWh/80万円、40kWh/82万円)。

今後は62kWhの現行型リーフ「e +」の再生バッテリーも登場するのだろうか……

この点については日産広報部によると、「30kWh、40kWhの再生バッテリーも準備していくことになりますが、現時点で価格など将来の計画を説明差し上げることはできません」との回答だった。

【今後の再生バッテリーの取り組みについて】

現時点では当記事で紹介したキャンピングトレーラーの電源用として車両への搭載が発表されている再生バッテリー。

今後の取り組みについて日産広報部に聞いてみた。

「リーフの交換用に再生バッテリーを使用するだけでなく、4Rエナジーで再整備したバッテリー、再生バッテリーを色々な用途に活用することを計画しています。

具体例としましては、再整備したEV使用済みバッテリーを活用したマルチ超急速充電器の開発を、協力会社と進めております」

(日産広報部を通した再生バッテリーの生産を担当する4Rエナジー社としての回答)。

全体的に再生バッテリーの現状は道半ばというのが率直な印象だが、電気自動車に搭載されるバッテリーはバッテリーだけでも相当幅広い利用価値があると思われる。

資源の有効活用やエネルギー事情の改善のためにも、再生バッテリーの今後の展開には大いに期待したい。

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