いすゞといえばバスやトラックが有名だが、かつては乗用車もあった。そんないすゞ車をまるっと全部対象としたフェスティバルが本年も開催される。オーナーはエントリーなしの飛び入り参加も可能だ。詳細を見てみよう。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧ください)
■3年ぶりの開催だった2022年大会
2022年はコロナの影響もあり、3年ぶりの開催となったこのフェス。しかしいすゞ車150台に加え、一般参加車が約50台と大盛況だった。トラックやバスはもちろん、レアな存在になりつつある乗用車の参加も多く、大いに盛り上がった。
特にボンネットバスの試乗会は大人気で、毎回満席の状態で会場周辺を走行した。乗用車にもメーカーによるコアなファンが多いのは承知の通りだが、バスの世界では自分で持つことは難しくても、市中や高速バスでいつでも乗れるので、やはりメーカーによるファンは多い。
現在は国内でバスを製造するメーカーは3社になってしまったが、それでもいすゞガーラやエルガの人気は絶大だ。
乗用車と違い、バスの場合はボデーが違えば姿かたちも全く異なるので、さらにファンが細分されるのが一般的だった。乗客として乗る際にもバス事業者により運用するバスメーカーが明らかな場合はお目当てのバスメーカーを選択して乗車していたファンもいるほどだ。
その点では旧車の方がボデーメーカーも多彩で、同じバスと思えない姿で走っていたことから、やはり古めのバスは希少価値とは別にすでになくなってしまったボデーメーカーのバスを見るのが楽しいというファンも多い。
■2023年は5月28日に開催!!
本年度のいすゞフェスティバルの日程は、2023年5月28日(日)10時〜15時で決定した。場所は愛知県豊田市足助町・香嵐渓多目的広場駐車場だ。参加費は1台あたり1000円で、『記念品、駐車場代』込みの費用だ。
当日に入口ゲートで参加費を支払えば参加OKで、事前エントリーは不要だ。また本年もボンネットバス記念乗車会を開催するので、ボンネットバスだけを目当てに行くファンも多いと予想される。
乗用車ファンの方は、もしかしたら名車に出会えるかもしれない。昨年は鹿児島県からいすゞの名車117クーペが参加してファンの目を楽しませたようだ。117クーペは4人乗り2ドアクーペというスポーティーカーでありながら、5速マニュアル2200ccディーゼル車の設定があった、実にいすゞらしい名車だ。
ほかにもピアッツァ、ジェミニ、フローリアン、アスカなど、いずれ劣らぬ名車たちを輩出してきたメーカーなので根強いファンがいまでも多く、これらの車種も登場する可能性が高い。
■アジアでは実用性抜群のいすゞ車
日本で発売されているいすゞの乗用車は昔と比較してずいぶん減ってしまったが、東南アジアではこれ見よがしに「ISUZU」と書かれた小型車、乗用車をよく見かける。日本でもかつて、ロデオ、ビッグホーン、ミューなどのピックアップ、SUVを販売していた。
特にピックアップトラックが多く、日本のようにきれいに舗装された道路が少なく、仮に舗装されていても雨季にはぬかるみや川のようになってしまう地域では、パワーがあり悪路走行が可能な車両が好まれる。
また日本のように宅配便や路線バスが発達しているわけでもない地域では、人だけではなく荷物を自分で運ぶ機会が多いことからピックアップトラックは実用車として重宝される。
日本では荷台に人が乗ることは荷物の監視目的以外では禁止されているが、東南アジアでは乗れるところであれば人であれ荷物であれ積めるだけ積むのがデフォルトだ。
よってピックアップトラックはマルチユースの乗用車として、しかも日本製のものは性能が良くて低燃費、トラックやバスで定評のあるいすゞは小型車でも日本を代表する一流ブランドである。
そんな乗用車の参加も多数見込めるので、さまざまな観点からバスだけではない魅力たっぷりのいすゞ車に会いに行ってみてはいかがだろうか。
【画像ギャラリー】いすゞフェスティバル2022の様子(5枚)画像ギャラリー