トラックドライバー400人に聞きました! 労働時間の削減どころか約4割の人は最近仕事が増えた!? 【UDトラックスの調査より】

トラックドライバー400人に聞きました! 労働時間の削減どころか約4割の人は最近仕事が増えた!? 【UDトラックスの調査より】

 働き方改革によりトラックドライバーの時間外労働が制限され、従来通りに荷物が運べなくなるという「物流の2024年問題」まで、あと1年を切った。しかしUDトラックスが行なったドライバー調査では、労働時間の削減どころか4割以上のドライバーは「仕事が増えた」と答え、早急に取り組まなければならない課題が多く残る現状が明らかになった。

文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
図表/UDトラックス

トラックメーカーによるドライバー調査

トラックドライバー400人に聞きました! 労働時間の削減どころか約4割の人は最近仕事が増えた!? 【UDトラックスの調査より】
UDアクティブステアリングを搭載するなど、運転のしやすさも追及したUDトラックスGW6×4トラクタ(4月4日の発表試乗会より)

 働き方改革関連法により、2024年4月1日からトラックドライバーの時間外労働時間の上限が960時間に制限される。全産業と比較して労働時間が長いとされるドライバー職で従来通りの働き方ができなくなり、物流の担い手が足りなくなる。

 「物流の2024年問題」と総称されるこの問題まで残り約1年。そんな中、大手トラックメーカーのUDトラックスが、全国の物流会社のドライバー400名を対象としたインターネット調査を実施した。

 調査結果では、2024年問題が目前に迫る中でも働き方の改善を実感しているドライバーが少なく、全体として人手不足を実感している人が多いという傾向が明らかになった。

 また、現状の人手不足や労働環境の改善に向けた対策も充分ではなく、今後の物流業界にとって取り組むべき課題も浮き彫りになった。

調査結果の詳細

 「2024年問題」という言葉が何を指すか知っているか尋ねたところ、約84%のドライバーが知っていると回答し、約半数に当たる47%は内容まで理解しているという結果に。

 いっぽう、残業規制に対する捉え方は、47%の人がポジティブに捉え、反対に53%の人はネガティブに捉えていた。2024年問題に対するドライバーの捉え方は二分されているが、給与面や自身の業務への影響からネガティブに捉えている人が多い。

トラックドライバー400人に聞きました! 労働時間の削減どころか約4割の人は最近仕事が増えた!? 【UDトラックスの調査より】
ドライバーの8割以上が2024年門断を認知しているが、過半数は残業規制をネガティブに捉えている

 ネガティブに捉えている人の懸念事項として多いのは「給与が下がること(76%)」「運送業界の売上・利益減少(40%)」「無理なスケジュールを要求されること(36%)」となり、給与面の他に業務への影響についても不安があることがわかった。

 5年前に比べてドライバーの働き方が改善しているか尋ねたところ、59%のドライバーが感じないと回答し、むしろ業務量が増えたと感じている人が43%いることが明らかになった。一般の大企業では2019年4月より時間外労働時間の上限規制が行われており、運送業界には5年の猶予があったにも関わらず、4割以上のドライバーにとって状況は悪化しているという結果となった。

 いっぽう働き方改革に伴い、今の業務を効率化させる必要があると答えた人は79%だった。必要な対策として「運送業界への新規参入者(人手)を増やす(60%)」「荷待ちの時間を減らす(57%)」「トラックの稼働率を上げる(28%)」が上位を占める結果となった。

トラックドライバー400人に聞きました! 労働時間の削減どころか約4割の人は最近仕事が増えた!? 【UDトラックスの調査より】
従来通りの業務を行なうために必要な対策として多かったのは「人手を増やす」「荷待ち時間を減らす」など

 1日の業務中に荷待ちの時間がどの程度生じているか尋ねたところ、平均2.1時間という結果になった。中には10時間以上と回答したドライバーも1.5%存在し、荷待ち時間をストレスに感じている人は75%に上った。ドライバーにとって荷待ち時間は、精神的にも労働環境改善のためにも解決するべき課題となっている。

 ドライバーの80%は自分自身でも業界の人手不足を感じており、その要因として上位に挙がったのは「給与の低さ(73%)」「高年齢化(62%)」「長時間労働56%)」など。60%のドライバーは勤務先が人手不足対策を行なっていると回答したいっぽう、その対策で充分だと考えているドライバーは3%にも満たなかった。

 人手不足を解消するために新たに必要な人数については、回答者の答えた必要人数と国交省の統計から、実数値に置き換えると推計で新たに24.44万人のドライバーが必要という結果になった。

トラックドライバー400人に聞きました! 労働時間の削減どころか約4割の人は最近仕事が増えた!? 【UDトラックスの調査より】
人手不足を解消するために必要となるドライバーの数

 トラックドライバーになることのハードルの高さを感じている人は約6割。実際にトラックドライバーになって苦労したことは「トラックが古い(38%)」「業務量が多くて仕事が回らない(28%)」「トラックが運転しにくい(21%)」で、ドライバーは車両を含めたハード面での改善の必要性を感じているようだ。

 残業規制によりトラックの「乗り回し」がより増えると想定されるが、69%のドライバーは不慣れな車両を運転することに不安を感じると回答した。さらに、85%のドライバーは誰でも運転しやすいトラックが必要だと回答した。

次ページは : 調査結果からわかったこと

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