首都高大師橋架け替え完成! でも100年後にはまた架け替えるのか? 【清水草一の道路エッセイ】

■強度に問題がなかった橋を架け替えた本当の理由

「長期的スパンで考えると、補修を続けるより、架け替えたほうが安上がりになるからです」(首都高速道路株式会社)

 老朽化が進んだ構造物は、古いままだと、年々補修費用が増大していく。50年単位で考えたら、造り直してしまったほうがコストが下がる。造り直しが決定している首都高の5つの区間は、そのように判断された場所だ。

 高速大師橋の場合、新橋には恒久足場が設置されているので、点検補修が楽になるというメリットもある。現在行われている高速道路のリニューアルは、すべて、そういう考えのもと、行われている。「間もなく崩れるから」ではなく、「造り直したほうが安上りだから」なのだ。

造り直したほうが安上がりになる個所が増えている(画像/首都高速道路株式会社)
造り直したほうが安上がりになる個所が増えている(画像/首都高速道路株式会社)

 新しい高速大師橋は、前述のように100年もつように設計されたが、決して100年後に架け替える必要があるわけではない。適切なメンテナンスを続ければ、100年どころか200年もつかもしれない。

 ただ、100年後、「もう架け替えたほうが安上がりだな」という判断になる可能性はある。100年というのは、あくまで目安なのである。

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