【C-HR ヴェゼル XV ジムニー】 日本最激戦区コンパクトSUV トップはどれだ!?!?

 現在一番の激戦区といってよいコンパクトSUV。活況の中にあってニューモデルやフルモデルチェンジで顔ぶれも一新。当然「どれを選ぶか?」の評価も変わってくる。

 そこで今回は評論家5人による国産コンパクトSUVのランキングを敢行。

 人気の売れ筋はC-HRやヴェゼルなどだが、ここにレクサスUXが加わったことで評価はどのようになるのか? また新型に切り替わったスバルXVはスポーツワゴンベースのライトSUVということで、こちらの評価もランキングの結果に大きく影響してくることになろう。このあたり、気になるところだ。

 また、あえてジムニーをこのカテゴリーに分類したが、現実問題、ユーザー目線でもジムニーを軽自動車というくくりで評価するわけではなく、“小さいクロカンSUV”という視点で見ているはず。ジムニーシエラとの評価の違いにも注目していただきたい。キャストアクティバも軽自動車だが、“小さいライトSUV”ということでここにカテゴライズしている。

 ランキングの決定は、鈴木直也、国沢光宏、渡辺陽一郎、片岡英明、岡本幸一郎の5氏がカテゴリーごとのランキングを決定。それぞれの順位をそのまま「順位点」として合計点が少ないものから上位とするという方法をとっている。

 さて、どのクルマが上位にランクインするのか!?

●販売台数TOP12
1位 C-HR 5563台
2位 ヴェゼル 4453台 
3位 クロスビー 2076台
4位 ジムニー 1965台
5位 XV 1859台
6位 CX-3 1415台
7位 キャストアクティバ キャスト全体で3219台 うちアクティバは約40%
8位 UX 1005台
9位 ジムニーシエラ 727台
10位 ジューク 306台
11位 エスクード 138台
12位 RVR 83台
※2018年8月〜2019年1月の半年間の月販台数の平均値で順位付け

※本稿は2019年3月のものです
文:鈴木直也、国沢光宏、渡辺陽一郎、片岡英明、岡本幸一郎/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年4月10日号


■ランキング1位はスバル XV

 まずは総合ランキングを見て、個々のポイントについて各評価者に話を聞いてゆこう。

●1位 スバル XV(価格帯:213万8400~282万9600円)

 売れ筋のコンパクトSUV部門で堂々の1位。“クルマの出来”が高く評価された。

●2位 ホンダ ヴェゼル(価格帯:207万5000~292万6000円)

 僅差で2位となった。1.5Lターボ追加で販売面は上げ潮に!? 

●3位 トヨタ C-HR(価格帯:261万4000~279万9600円)

 時代の先ゆくデザインのC-HR。今回は3位にランクインという結果に。

●4位 レクサス UX(価格帯:390万~535万円)

 エントリーの12車種で最も新しく誕生したモデル。販売は絶好調だ。

●5位 マツダ CX-3(価格帯:212万7600~306万2080円)

 僅差で5位。ディーゼルモデルの実用性は相変わらずの高評価だ。

■XV、堂々の1位。勝因は?

(TEXT/国沢光宏)

 軽自動車ですら軽く200万円を超える時代。フル装備のSUVで250万円はお買い得だと考えます。それに加え、長い距離を乗るならハイブリッド車というチョイスもある。それがXVの魅力。

5人中1人が1位に、その他の3人中2人も2位と評価したスバル XV(写真はアドバンス)

 クルマそのものの仕上がりもいい。スバルの新世代グローバルプラットフォーム、ハンドリングの奥行き(厳しい状況になってもしっかり走ってくれる、という意味)がドイツ車と比べたって負けていないです。

 個人的には現時点で日本車No.1の総合バランスだと評価している。こう言いきっていいです。

 最後に注文をつけたい、と思う。文頭に戻るが、つまらないパワーユニットしか選べないという現状は残念でならない。燃費よくパワフルな水平対向ディーゼルや、ヨーロッパ車のように熱効率高い1600cc直噴ターボなどを搭載してくれれば、と思う。

■ジムニーもジムニーシエラもランキングずいぶん低いのはなぜ!?

(TEXT/鈴木直也)

 ぼくのランキング評価、いつも「平均的なユーザーの生活感」を重視して選んでいるせいでしょう。

 クルマ好きにとって、ジムニー(とジムニーシエラ)は、ひさびさに「おー、楽しいっ!」と思えるクルマなのは間違いない。なんでそんなに楽しいのかと考えるに、これはやっぱり「非日常性」の魅力と思い至るわけです。

 ジムニーを普通のSUVとして考えたら、乗り心地や居住性などイロイロ不便なところもあるし、衝突安全性能などあまり一般の人にはお薦めできない欠点もある。

その誕生がニュースだったジムニー

 しかし、そういう多少の不便さや乗りにくさは、並外れたオフロード性能と引き換えだからしようがない……。そんな風に許せちゃうのがジムニーならではの魅力ですね。

 こういう「まわりの皆さんとはちょっと違うクルマに乗っている」という満足感。たとえお得意のオフロードに踏み込まなくても、街中を流しているだけでジムニーに乗っているとワクワクの高揚感が味わえる。

 スポーツカーと同じ感覚で、「乗せられてる」のではなく「ドライバーが主役となって操っている」充実感があるわけです。

 ただし、それは言ってみれば快適なマンションからキャンプに出かけるようなもので、「非日常」だから楽しいんですよね。新しいジムニーはあまりに快適かつ安楽になっちゃった現代のクルマへのアンチテーゼとして光るんだけど、では広く一般の人にお薦めできるクルマかというとノー。それがこの採点の理由です。

■世間で人気のあるC-HRの順位が8位と低く、ヴェゼルを1位となった理由は?

 (TEXT/渡辺陽一郎)

 ヴェゼルを1位にした理由は、今のSUVが人気を高めている本質を突いているからだ。SUVの潮流は世界的なもので、SUVが人気を得た理由は、外観のカッコよさと実用性の両立にある。

 ボディの下側には、悪路の走破力を高める大径タイヤが装着されて力強い。逆に、ボディの上側はワゴンに準じた形状だから、居住性や積載性も優れる。

 ヴェゼルはこのSUVの魅力を的確に表現した。外観はスポーティでカッコよく、インパネなど内装の作りも上質だ。上級グレードのステッチは、模造ではなく糸を使った本物になる。

 そのいっぽうで燃料タンクを前席の下に搭載したから、後席と荷室が広い。ボディはコンパクトだが、実用性はミドルサイズSUV並みだ。

販売面で好調を続けるC-HR。しかし5人の評価は賛否両論あるようで……。ディーゼルを武器にCX-3も安定した人気だ

 一方、C-HRの順位が低いのは、クルマにとって最も大切な安全性を粗末にしているから。後方視界ははっきり言って劣悪で、後ろがほとんど見えない。仕方なくバックモニターに頼って後退すると、左右方向から急に接近する自転車などを見落とす危険性だってある。

 そこで開発者に「トヨタには視界の安全基準がないのか」と尋ねると「C-HRは視界の社内基準をギリギリでクリアした」という。よほど甘い基準をお持ちなのだろう。個人的に、こういうクルマは推奨できない。大量に売れるなら、それこそ積極的に注意を促す必要がある。

 SUVで大切な後席の居住性、荷室の広さも今一歩だ。

 また、2位としたXVも先代型に比べると後方視界を悪化させたが、ほかのSUVよりは大幅に優れている。

 後席や荷室も相応に広く、全高が1550mmだから立体駐車場も使いやすい。重心も下がって安定性も良好。ゆえに2位という評価にした。

■ヴェゼル(1位)とXV(2位)の評価の決め手はどこに?

(TEXT/片岡英明)

 ヴェゼルとXVは、どちらもトータル性能が高いクロスオーバーSUVだ。実力は拮抗しており、どの項目を重視するかによって順位は変動する。最終的に、バリエーションが豊富で、選択肢が多いヴェゼルを1位とした。

 ヴェゼルは2014年のデビューだが、毎年のようにまじめにアップデートしており、完成度を高めてきた。ハイブリッド車を中心にヒット中で、2018年2月には気合の入ったマイナーチェンジを実施している。そして今年1月にはDOHC・VTEC、1.5Lターボエンジンを積む「ツーリング」グレードを投入。

5人の評価が高かったヴェゼル。1.5Lターボも追加!

 センタータンクの採用によって絶妙なパッケージングを実現するのもヴェゼルの強み。キャビンは広いし、荷物も積みやすい。走りの実力も平均レベルを超え、ターボはスポーティな味わいだ。

 また、プリクラッシュブレーキやACC(アダプティブクルーズコントロール)など、8種の機能をセットにしたホンダセンシングも全車に標準装備としている。

 対するXV。全車、道を選ばない4WDとし、立体駐車場を使える全高もチャームポイントのひとつである。2017年春のデビューだが、2018年秋には待望のハイブリッド車(e-BOXER)、「アドバンス」を追加した。

 後席の乗り心地に代表される快適性能や4WDの実力など、走りの洗練度はXVが一歩上をいく。ハイブリッド車であってもブレーキフィーリングがよく、違和感がない。アイサイトの実力も文句なしだ。信頼性と使い勝手のよさが光る。

 だが、重要ポイントである実用燃費が物足りない。一般の人の日常使いのSUVとして考えた時、僅差でヴェゼルを1位とした。

■レクサスUXを1位にした理由はなんですか?

(TEXT/岡本幸一郎)

 この顔ぶれのなかでは、UXだけ別格的ですよね。

 価格もダントツで高いけど、とにかくイイものはイイということで1位に選出しました。キメ細かく造形された外観も、ラグジュアリーで斬新な質感を見せるインテリアもさすがは最新のレクサスだけあってよくできている。

 加えて、装備の充実ぶりもほかの顔ぶれとは段違い。ベンチレーション付きのシートや、ハイブリッドならAC100Vコンセントも選べます。

販売面ではES300hとともにレクサスでダントツの売上を誇るUX250h

 そして、いざ走ってみてもとてもよくできていて感心しました。2種類が用意されたパワートレーンは、発進用ギアを備えたCVTを搭載するガソリンも、排気量UPしたハイブリッドも印象は上々。かなりの満足感です。

 また、車体の剛性感が高く、しなやかによく動きながらもフラット感の高い上質なフットワークも、まったく別次元という感じです。

 とにかくこの完成度の高さには大いに驚かされました。開発関係者が〝自信作〟と胸を張るのも納得です。これを味わってしまったからには、この顔ぶれのなかではUXを上回るほど高く評価できるクルマは、僕にとってはさすがにありませんでした。

 レクサスのなかではSUVのエントリーモデルとなりますが、完成度の高さにおいては上級機種を上回るほどだと思うし、欧州のプレミアムブランド勢と比べても、このクラスではトップレベルといえるのでは、と思っています。

 むろん価格はそれなりに高いので、もしもコストパフォーマンスという切り口で斬るとしたら順位は下がりますが、いかに魅力的で見どころがあるか、そして完成度の高さで評価すると……、僕にとってはUXの圧勝ですね。

■4WDメカで選べばこれ!

(TEXT/鈴木直也)

 上表のリストのなかで、まず選びたいのはジムニー&シエラとUX。前者は本格4WDを備え、どこでも走れるいわば最強。後者はハイブリッドモーター4WDで、メカ的に注目すべきところがある。

「コンパクトSUV」のランキングとしては中位に座したが、4WDカーとしては存在感際立つジムニー

 それで、残りはすべて基本的に電子制御カップリングのFFベース。制御の緻密さや凝り具合が勝負になるけど、ぼくが選ぶならXVとCX-3。両方とも雪道で走ったけど、普通の人が運転しても安定して走れる技術が搭載されている。FFベースのSUV、今後の進化が実に楽しみ。

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