■ヴェゼル(1位)とXV(2位)の評価の決め手はどこに?
(TEXT/片岡英明)
ヴェゼルとXVは、どちらもトータル性能が高いクロスオーバーSUVだ。実力は拮抗しており、どの項目を重視するかによって順位は変動する。最終的に、バリエーションが豊富で、選択肢が多いヴェゼルを1位とした。
ヴェゼルは2014年のデビューだが、毎年のようにまじめにアップデートしており、完成度を高めてきた。ハイブリッド車を中心にヒット中で、2018年2月には気合の入ったマイナーチェンジを実施している。そして今年1月にはDOHC・VTEC、1.5Lターボエンジンを積む「ツーリング」グレードを投入。
センタータンクの採用によって絶妙なパッケージングを実現するのもヴェゼルの強み。キャビンは広いし、荷物も積みやすい。走りの実力も平均レベルを超え、ターボはスポーティな味わいだ。
また、プリクラッシュブレーキやACC(アダプティブクルーズコントロール)など、8種の機能をセットにしたホンダセンシングも全車に標準装備としている。
対するXV。全車、道を選ばない4WDとし、立体駐車場を使える全高もチャームポイントのひとつである。2017年春のデビューだが、2018年秋には待望のハイブリッド車(e-BOXER)、「アドバンス」を追加した。
後席の乗り心地に代表される快適性能や4WDの実力など、走りの洗練度はXVが一歩上をいく。ハイブリッド車であってもブレーキフィーリングがよく、違和感がない。アイサイトの実力も文句なしだ。信頼性と使い勝手のよさが光る。
だが、重要ポイントである実用燃費が物足りない。一般の人の日常使いのSUVとして考えた時、僅差でヴェゼルを1位とした。
■レクサスUXを1位にした理由はなんですか?
(TEXT/岡本幸一郎)
この顔ぶれのなかでは、UXだけ別格的ですよね。
価格もダントツで高いけど、とにかくイイものはイイということで1位に選出しました。キメ細かく造形された外観も、ラグジュアリーで斬新な質感を見せるインテリアもさすがは最新のレクサスだけあってよくできている。
加えて、装備の充実ぶりもほかの顔ぶれとは段違い。ベンチレーション付きのシートや、ハイブリッドならAC100Vコンセントも選べます。
そして、いざ走ってみてもとてもよくできていて感心しました。2種類が用意されたパワートレーンは、発進用ギアを備えたCVTを搭載するガソリンも、排気量UPしたハイブリッドも印象は上々。かなりの満足感です。
また、車体の剛性感が高く、しなやかによく動きながらもフラット感の高い上質なフットワークも、まったく別次元という感じです。
とにかくこの完成度の高さには大いに驚かされました。開発関係者が〝自信作〟と胸を張るのも納得です。これを味わってしまったからには、この顔ぶれのなかではUXを上回るほど高く評価できるクルマは、僕にとってはさすがにありませんでした。
レクサスのなかではSUVのエントリーモデルとなりますが、完成度の高さにおいては上級機種を上回るほどだと思うし、欧州のプレミアムブランド勢と比べても、このクラスではトップレベルといえるのでは、と思っています。
むろん価格はそれなりに高いので、もしもコストパフォーマンスという切り口で斬るとしたら順位は下がりますが、いかに魅力的で見どころがあるか、そして完成度の高さで評価すると……、僕にとってはUXの圧勝ですね。
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