ヴェゼル XV ジムニー…日本最激戦区コンパクトSUV トップはどれだ!?!?

■XV、堂々の1位。勝因は?

(TEXT/国沢光宏)

 軽自動車ですら軽く200万円を超える時代。フル装備のSUVで250万円はお買い得だと考えます。それに加え、長い距離を乗るならハイブリッド車というチョイスもある。それがXVの魅力。

5人中1人が1位に、その他の3人中2人も2位と評価したスバル XV(写真はアドバンス)

 クルマそのものの仕上がりもいい。スバルの新世代グローバルプラットフォーム、ハンドリングの奥行き(厳しい状況になってもしっかり走ってくれる、という意味)がドイツ車と比べたって負けていないです。

 個人的には現時点で日本車No.1の総合バランスだと評価している。こう言いきっていいです。

 最後に注文をつけたい、と思う。文頭に戻るが、つまらないパワーユニットしか選べないという現状は残念でならない。燃費よくパワフルな水平対向ディーゼルや、ヨーロッパ車のように熱効率高い1600cc直噴ターボなどを搭載してくれれば、と思う。

■ジムニーもジムニーシエラもランキングずいぶん低いのはなぜ!?

(TEXT/鈴木直也)

 ぼくのランキング評価、いつも「平均的なユーザーの生活感」を重視して選んでいるせいでしょう。

 クルマ好きにとって、ジムニー(とジムニーシエラ)は、ひさびさに「おー、楽しいっ!」と思えるクルマなのは間違いない。なんでそんなに楽しいのかと考えるに、これはやっぱり「非日常性」の魅力と思い至るわけです。

 ジムニーを普通のSUVとして考えたら、乗り心地や居住性などイロイロ不便なところもあるし、衝突安全性能などあまり一般の人にはお薦めできない欠点もある。

その誕生がニュースだったジムニー
その誕生がニュースだったジムニー

 しかし、そういう多少の不便さや乗りにくさは、並外れたオフロード性能と引き換えだからしようがない……。そんな風に許せちゃうのがジムニーならではの魅力ですね。

 こういう「まわりの皆さんとはちょっと違うクルマに乗っている」という満足感。たとえお得意のオフロードに踏み込まなくても、街中を流しているだけでジムニーに乗っているとワクワクの高揚感が味わえる。

 スポーツカーと同じ感覚で、「乗せられてる」のではなく「ドライバーが主役となって操っている」充実感があるわけです。

 ただし、それは言ってみれば快適なマンションからキャンプに出かけるようなもので、「非日常」だから楽しいんですよね。新しいジムニーはあまりに快適かつ安楽になっちゃった現代のクルマへのアンチテーゼとして光るんだけど、では広く一般の人にお薦めできるクルマかというとノー。それがこの採点の理由です。

■世間で人気のあるC-HRの順位が8位と低く、ヴェゼルを1位となった理由は?

 (TEXT/渡辺陽一郎)

 ヴェゼルを1位にした理由は、今のSUVが人気を高めている本質を突いているからだ。SUVの潮流は世界的なもので、SUVが人気を得た理由は、外観のカッコよさと実用性の両立にある。

 ボディの下側には、悪路の走破力を高める大径タイヤが装着されて力強い。逆に、ボディの上側はワゴンに準じた形状だから、居住性や積載性も優れる。

 ヴェゼルはこのSUVの魅力を的確に表現した。外観はスポーティでカッコよく、インパネなど内装の作りも上質だ。上級グレードのステッチは、模造ではなく糸を使った本物になる。

 そのいっぽうで燃料タンクを前席の下に搭載したから、後席と荷室が広い。ボディはコンパクトだが、実用性はミドルサイズSUV並みだ。

販売面で好調を続けるC-HR。しかし5人の評価は賛否両論あるようで……。ディーゼルを武器にCX-3も安定した人気だ

 一方、C-HRの順位が低いのは、クルマにとって最も大切な安全性を粗末にしているから。後方視界ははっきり言って劣悪で、後ろがほとんど見えない。仕方なくバックモニターに頼って後退すると、左右方向から急に接近する自転車などを見落とす危険性だってある。

 そこで開発者に「トヨタには視界の安全基準がないのか」と尋ねると「C-HRは視界の社内基準をギリギリでクリアした」という。よほど甘い基準をお持ちなのだろう。個人的に、こういうクルマは推奨できない。大量に売れるなら、それこそ積極的に注意を促す必要がある。

 SUVで大切な後席の居住性、荷室の広さも今一歩だ。

 また、2位としたXVも先代型に比べると後方視界を悪化させたが、ほかのSUVよりは大幅に優れている。

 後席や荷室も相応に広く、全高が1550mmだから立体駐車場も使いやすい。重心も下がって安定性も良好。ゆえに2位という評価にした。

次ページは : ■ヴェゼル(1位)とXV(2位)の評価の決め手はどこに?

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