◾️割増料金を実施するのはどの時間帯にすべき?
午後1時から午後8時までという、割増の適用時間帯どうか。
私は事前に、「正午から午後8時前後が望ましい」と考えていた。渋滞のピークは午後5時だが、交通量は午後2時台にピークに達しているからだ。
仮に割増適用を午後2時からにした場合、その寸前に帰ろうという駆け込み利用が増えすぎて、そこに渋滞のピークが移る可能性があるというのが、正午からとした根拠だった。さすがにそれよりも早く帰ると、レジャーを楽しめなくなるから、渋滞の前倒しを避けることができる。
しかし、国交省の検討会が出した結論は、「午後1時から割増」だった。これは、駆け込み渋滞発生ギリギリのタイミングだろう。また、800円からいきなり1200円にするのではなく、たとえば正午から午後1時までは1000円するといった段階を設けたほうが、より望ましかった。
ただ今回は試験導入なので、結果を見て修正することも可能だ。
割増の終了は、午後8時で適切だと考える。通常なら渋滞が緩和される時間で、現地で夕食をとって帰宅するのにもちょうどいい。帰宅時間が後ろずれする分、午後10時台まで渋滞が続く可能性があるが、現在のような爆発的な渋滞ではなくなる。
推測だが、この時間帯別変動料金制が導入されれば、割増時間帯の交通量は、数%は減るだろう。
アクアラインの交通量を見ると、渋滞する時間帯は、1時間あたり2000台前後が通過しており、2車線の自動車専用道路の交通容量を超えている。これを数%減らせば、渋滞はかなり緩和される。
割増が500円なら、交通量の減少は10%近くに達し、渋滞距離や通過時間は半分程度になると予想していたが、400円でも、午後5時の渋滞ピーク時の混雑は、半減させられる可能性が高い。
400円の割り増しは、利用者にとっては痛い出費だが、併せて割引も実施される。「割増が400円なのに、なぜ割引は200円?」という不満もあるだろうが、渋滞が目に見えて減れば、全体としては利用しやすくなるはずだ。
国交省は、近い将来、首都圏の他の高速道路にも時間帯別変動料金制を広げ、いずれは中京圏や近畿圏でも実施する方針だ。20年以上前から提案してきた私としては、「やっとその時が来たか」という思いだ。
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