環境省の令和5年度「商用車の電動化促進事業」が6月27日からスタートした。今年度ではトラック約4000台分の電動化を補助するもので、一般財団法人環境優良車普及機構(LEVO)を公募窓口として、補助の申請を受け付けている。今年はEVトラック新型車の発売が相次いだことから、申請件数の増加が予想されるところだ。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/フルロード編集部、ASF、EVモーターズ・ジャパン、フォロフライ
約4000台分のトラックEV化を補助
環境省の「商用車の電動化促進事業」は、運輸部門の脱炭素化と電動商用車(トラック、タクシーなど)への投資促進を目的とした導入補助事業で、令和5年度では総額136億円の予算をあてており、トラック約4000台・タクシー約700台の導入が補助できる規模とされる。このうちトラックの導入補助事業を受託しているのがLEVOである。
この事業では、車両総重量2.5トン超の事業用(緑ナンバー)車と自家用(白ナンバー)車、同2.5トン以下は事業用(緑ナンバー)車のみが対象となる。補助が受けられる事業者は、「貨物自動車運送事業者」「車両総重量2.5トン超の自家用商用車(トラック等)を業務に使用する者」「商用車(トラック等)の貸渡しを業とする者(前述2者に貸渡しする者に限る)」「地方公共団体」などである。
導入補助はトラックの場合、ディーゼル車との価格差に対して、バッテリーEV(BEV)は3分の2、プラグインハイブリッド車(PHEV)は2分の1、燃料電池車(FCV)は4分の3を、それぞれ補助額とする。
例えば1台の価格が約900万円のBEVトラックを導入する場合、ディーゼル車(約450万円)との差額450万円のうち、3分の2にあたる300万円を補助する。
導入補助の対象となる電動トラックは、「事前登録車」としてあらかじめ指定された国内7社・9銘柄(型式取得車16・型式不明車5)のはBEVである(PHEVとFCVは登録なし)。今年度は、新型「eキャンター」や「エルフEV」などの発売開始に伴い、対象車種が大幅に増加しているのが特徴だ。
参加受付は終了しているが、LEVOでは、電動化促進事業とは別の補助事業である「低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業」(5月末から開始)と合わせて、7月~8月にかけて全国11都市(札幌・仙台・東京・横浜・新潟・名古屋・大阪・広島・高松・博多・鹿児島)で説明会を開催する予定となっている。
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