満を持してのフルモデルチェンジを敢行した日産デイズ&三菱eKシリーズ。全高1600mm台のハイトワゴン軽自動車の「ド真ん中」を目指して、両メーカーが渾身の開発で送り出した自信作だ。
ハイトワゴン軽自動車の定番中の定番、スズキワゴンR、さらにはスーパーハイト軽のN-BOXも飛び入り参加の上、徹底対決で細部をチェックする!
採点してくれたのは、自動車ジャーナリストの鈴木直也氏、渡辺陽一郎氏のお二人だ。
※本稿は2019年5月のものです
文:ベストカー編集部/撮影:平野 学
初出:『ベストカー』 2019年6月10日号
■デイズ&eK ファーストインプレッション
●鈴木直也の声
今度のデイズ/eKで印象的なのは、先代がモード燃費を意識しすぎて失敗したのを反面教師として、使い勝手を重視したエンジンに仕立ててきたこと。
試乗車は2台ともNA仕様(52ps/6.1kgm)だったが、先代型と比べて最大トルク値はほぼ変わらないものの、発生回転数が14000rpmも低下。小さめのアクセル開度でも、思いのほかスイスイとよく走る。
欲をいえば、CVTの副変速機を廃止したことで、ライバルと比べると発進が若干トロくなった印象があるが、これは全開スタートを試みないとさほど気にならない。ここも「名より実をとった」部分と言える。
もうひとつの美点はステアフィールが「軽ナンバー1」と言えるほど上質なこと。これは、電動パワステにブラシレスモーターを奢ったおかげだが、走りにクォリティを感じるのは軽としてはナカナカです。
●渡辺陽一郎の声
従来型は日産デイズが主力で、三菱eKは存在感が乏しかったが、新型は逆転して三菱eKクロスのインパクトが強い。エクリプスクロスや改良されたデリカD:5などの三菱車に共通する顔立ちでSUV感覚が濃厚だ。
内装はデイズ、eKともに上質だ。オプションでシート生地を合成皮革に変更すると、インパネに柔らかいパッドが入って本物のステッチ(縫い目)も施される。質感はコンパクトカーを超えてミドルサイズ並みだ。
エンジンは自然吸気に注目したい。実用回転域の駆動力が高いから運転しやすく、回転感覚は滑らかだ。音質もマイルドで走りが上品に感じる。
ターボは少し粗削りだが、最大トルクの10.2kgmを2400~4000回転で発生するため、軽自動車のギア比では走行中は常にターボが作動している。自然な印象の操舵感や走行安定性も満足できる。
【Check 1】 室内空間チェック(運転席)
運転席は鈴木直也氏のドライビングポジションに合わせた状態で後席の広さを確認。全車前後スライドが可能なので、写真は最後端にスライドさせた状態である。
●デイズ/eK X
●ワゴンR
●N-BOX
【Check 2】 後席スライド&アレンジメント
デイズ/eKは、背もたれは片側独立して調整可能だが、前後スライドは左右一体。ワゴンRは左右2分割で前後スライド可能。
●デイズ/eK X
●ワゴンR
●N-BOX
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