【Check 3】 荷室の広さはどうだ!?
デイズ/eKの後席背もたれを前倒させると座面はそのままなので荷室に段差ができる。ワゴンRは座面がダイブダウンするため完全にフラットな荷室フロアとなる。N-BOXも同様だ。
●デイズ/eK X
●ワゴンR
●N-BOX
【Check 4】インテリアの質感は!?
●デイズ
デイズハイウェイスターのインテリアはオプションの「プレミアムコンビネーションインテリア」で、専用のブラウン系のカラーコーディネート。さらにステッチは『本物』で質感の高さを感じる。
●eK X
eKクロスにも同様の「プレミアムインテリアパッケージ」がオプション設定されるのだが、今回の取材車は標準仕様の内装だった。デイズ/eKはナビモニター画面の大きさや操作性など、やはり洗練されており新しさを感じる。
●ワゴンR
ワゴンRも機能的にまとめられているのだが、シート生地の質感や、インパネ表皮など一歩及ばずといった印象だ。N-BOXは最上級モデルということもあり上質だ。
●N-BOX
●渡辺陽一郎のインテリア評価
内装はデイズ&eKが上質だ。前席の座り心地は、デイズ&eKのホールドが若干いい。後席の居住性はワゴンRの圧勝だ。
デイズ&eKは座面の柔軟性が乏しく、床と座面の間隔も足りないから、足を前方へ投げ出す座り方になる。後席と荷室のアレンジもワゴンRの勝ちだ。
ワゴンRは前後スライドに加えて、後席の背もたれを倒すと座面も連動して下がり、平らな荷室になる。この機能はすべて左右独立式だ。
デイズ&eKは前後スライドが左右一体で独立せず、座面の昇降機能もないから、後席を倒すと広げた荷室の床に段差が生じる。
●鈴木直也のインテリア評価
現行ワゴンRはデビューから2年経つが、よく工夫された室内ユーティリティにはいまだ一日の長がある。
わかりやすいのは、2分割でダイブダウンできるリアシート。操作しやすいし、畳めばほぼフラットになって使い勝手良好。
見た目はデイズ/eKのほうがスッキリお洒落だが、実用性ではワゴンRのほうが一枚うわ手だ。
また、相変わらず助手席クッション下のバケツも健在。これはもうワゴンRの伝統ともいえるユーティリティで、廃止しようとしてもユーザーが許さないでしょうね。
【Check 5】実走行燃費テスト
今回の比較試乗では、軽く0-60km/hタイムを計測してみたのだが、ワゴンRとデイズ/eKで予想以上の差が生じた。
同時に発進すると一目瞭然なのだが、最初の10mくらいで大きな差がついて、60km/hまでほぼそのまま。ワゴンRのほうがコンスタントに1秒ほど速いという結果となった。
この発進加速性能の差は、デイズ/eKの新型CVTで副変速機が廃止された結果、変速比が7.8から6.0へ縮小しているのが効いている模様。
普通のドライバビリティには問題はないが、全開加速は苦手というところだろうか。実走行燃費は各車ほぼ同じレベルにまとまっていた。
【Check 6】 両氏の注目ポイント
●鈴木直也はここに注目!
デイズ/eKで最も注目すべきは、日産ご自慢の“プロパイロット”を採用したことで、軽初の「全速度ACC機能」を実現しているところだろう。
普通車ではかなり普及してきたものの、軽でクルコンによる渋滞追従とレーンキープが使えるのは朗報。こういう先進安全装備を積極的に導入する姿勢はおおいに頼もしい。
一方、合理化とコストダウンのため、CVTの副変速機を廃止したのはバツ。発進性能は明らかにワゴンRに負けている。
●渡辺陽一郎はここに注目!
ワゴンRのノーマルエンジンは、CVTの変速制御も含めて中/高回転域を活発に使う。ボディも軽く加速がいい。
デイズ&eKは大人しいが、エンジンは滑らかに回り、ワゴンRに比べてノイズの音質も穏やかだ。操舵に対する反応もワゴンRは軽快で、デイズ&eKには落ち着きがあり、操舵角に忠実に曲がる。
総じてワゴンRは活発で、デイズ&eKは大人っぽい。運転支援機能はデイズ&eKが充実しており、ワゴンRは遅れている。
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