【水なら大丈夫なのか? にじむ程度なら問題ない?】クルマから漏れ出る液体の正体と対処法

ブレーキフルード

■どこに漏れる?
(1)タイヤの周辺、(2)エンジンルーム内。

■原因
(1)の場合はブレーキフルードが通るブレーキライン、キャリパーのゴムパーツの劣化、破損、(2)場合はブレーキオイルを送るもととなるブレーキマスターそのもの、シール類の劣化、破損などが考えられる。

■対処
 ブレーキトラブルは事故に直結するので、即修理が必要となる。とにかく急を要す。

ブレーキオイルが漏れていてもなかなか外からはわかりにくい。タイヤ周辺に漏れが発覚した時点でかなり危ない状態といえるので走行前点検が重要

ATF(ATの作動油)

■どこに漏れる?
 多くはクルマの下側。

■原因
 考えられる要因としてはATFのオイルパンのパッキンの劣化、ATFのオイルクーラーそのもの、配管の劣化、破損などがある。

■対処
 ATFがにじむ程度なら若干の時間的猶予はあるが、放っておくと重症化するので修理が必要となる。

ATFに限らず漏れ、にじみともわかりにくいものは、メーターパネル内の警告灯に注意することが大事になってくる。普段見慣れない表示が出現した時は緊急事態

MTオイル

■どこに漏れる?
 主にクルマの下側。

■原因
 MTのオイルシールの劣化などが考えられる。

■対処
 MTそのものを壊さないためにも早めの修理が必要だ。

MTのミッションオイルが漏れていると操作感が悪くなってくる。シフトチェンジの時にゴリゴリするな、入りづらいなと感じたらオイル漏れの可能性もある

ドライブシャフト

■どこに漏れる?
 タイヤの周辺(ドライブシャフトの場合はどちらかというと漏れるのはグリスなので、そのままの状態では発見しにくい)。

■原因
 主にドライブシャフトの接合部を守るブーツの劣化。

■対処
 損傷をひろげないためにも早期のブーツの交換、再グリスアップが必要となる。

ドライブシャフトブーツが破損してグリスが漏れ出していても外部からはわかりづらい。たまにはタイヤを外してチェックすることも必要だ

デフオイル

■どこに漏れる?
 クルマの下側。

■原因
 ドライブシャフトとデフの接合部のオイルシールの劣化、デフケースのパッキンの劣化などが考えらえる。

■対処
 早期の修理が望ましい。

古いクルマの下回りは、サビや滲んだオイルにホコリが付着しているケースも多い。なかなか下回りを点検することはできないので、整備工場に依頼するのが得策

ショックアブソーバー

■どこに漏れる
 ショックアブソーバーそのもの(そのためクルマをそのまま置いている状態での発見は難しい)。

■原因
 ショックアブソーバーそのものの劣化、ショックアブソーバー内部のオイルシールの劣化。

■対処
 オイルの滲みならとりあえず問題はないが、オイル漏れの場合はショックアブソーバーの交換が必要。

 ただしオイルの滲みでもショックアブソーバーが劣化しているのは確かで、ショックアブソーバーの交換はリフレッシュ効果も大きいので、思い切って交換を考えてもいい。

ショックアブソーバーの断面図。この筒の中にオイルが満たされていているが、ブレーキオイル同様に漏れがわかりづらい。乗り心地の悪化はそのサインのひとつ

★    ★    ★

 クルマからの液体漏れはそのままにすると重大なトラブルにつながることも多いので、早期発見のため一晩クルマを止めた後に「地面に何か漏れてないか確認する」「普段しない臭いがしたら注意する」といった習慣を着けてほしい。

 また液体漏れは前述した確認だけでは発見できないことも多々あるので、新車から5年以上経ったクルマに乗っているならディーラーなどで年に1回12か月点検を受け、早期発見&早期解決(=修理代も早いほど安い)を心掛けるといいだろう。

 なお液体漏れの対処には漏れ止材と呼ばれるケミカルを使う手もあり、副作用なく効果が期待できる商品もあるので、修理の際に相談の上で使ってみる価値はある。

 視覚、嗅覚の両面から漏れとその種類を把握できるようにしたい。

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