「ゴーン後」の日産・三菱 新たな姿とクルマたち

■「アライアンスの理想的な方向性」とは?

 3月28日、eKシリーズ発表の場で三菱自動車の益子修会長は「日産と三菱、それぞれが得意な分野を活かして、お互いに共有して魅力的な商品を作り上げることがアライアンスのあるべき姿。進むべき方向性だ」と語った。

 今回のデイズ/eKは先代型の三菱主導の開発から日産主導の開発へとなった。この背景には例の燃費不正問題が無関係だとは思えないが、一方で「あの問題以前から、次のモデルは日産が開発を主導することで決まっていた」と益子会長は言う。

●デイズ/eK EV

3月14日に岡山県の水島製作所で実施されたデイズ/eKシリーズのオフライン式典で握手をする日産の星野朝子専務執行役員と三菱の益子修会長。デイズ/eKのピュアEVが今後登場することは、その後、eKシリーズ発表会の場で益子会長への取材などでも明言されている。EVのデビュー時期は2020年中晩頃となりそうだ

 開発初期から運転支援システム「プロパイロット」を搭載することが必須とされていたこともあり、シャシーも含めてパワートレーンなど日産が開発するほうが理にかなっているというのがその理由。さらにピュアEV仕様も念頭に置いていることも日産主導の理由だと益子会長は言う。

 今後の展開としてEV及びe-POWERは日産の技術、知見を最大限に活かす一方、PHEVは三菱の持つ技術を活用し、日産が独自に進めていた開発と一体化されることを明言している。

 こうしたアライアンスによる開発体制の集大成となるのがミッドサイズプラットフォームだ。

 具体的には日産では次期型エクストレイルに使用されるプラットフォームで、三菱では次期型アウトランダーになる。さらに日産ではこれをベースにCセグメントスポーツハッチバックが開発されることは既に別のところでお伝えしてきた。

●次期型エクストレイルはe-POWERでNISMOアリ!

次期型エクストレイルも開発の遅れが取りざたされるモデル。その背景には三菱とのアライアンスによるプラットフォーム共用、部品の共用化などの問題があるという(画像はベストカー予想CG)

 パワートレーンはe-POWERが採用されるが、エクストレイルでは、ジュネーブショーに出展されたコンセプトカー「IMQ」に搭載されるとされた1.5Lターボe-POWERの搭載が有力視される。

 車重が重く、4WDが求められるSUVには前後2モーターの4WDとなるこのe-POWERシステムがベストマッチ。

 4WD制御技術は三菱の持つ、PHEV・S-AWC技術が盛り込まれることで悪路走破性、操縦性などに大きな進化が期待できる。よりハイパワー化したNISMOモデルの開発も同時並行で行われる。

●e-POWER搭載Cセグカー、三菱では次期型アウトランダー開発

次期型エクストレイルと基本プラットフォームを共用開発するのが日産のCセグメントスポーツハッチ(上)。三菱では次期型アウトランダー(下)が開発される(画像はベストカー予想CG)

 基本プラットフォームを共用しながら三菱バージョンとして次期型アウトランダーが開発されるのだが、さらにここから発展するかたちで、前回の東京モーターショーに出展された三菱e-EVOLUTIONが市販モデルとして具現化することになる。

 もちろんコンセプトカーがそのまま市販モデルになると言うのではなく、e-EVOLUTIONで示されたモーター駆動技術やデザインコンセプトが盛り込まれたスポーツSUVということ。

 イメージとしてはまさに“ランエボSUV”とも言うべき三菱のフラッグシップイメージリーダーカーとなるモデルだ。

●ランエボSUVには e-EVOLUTIONの技術を投入

上は前回の東京モーターショーに出展された「e-EVOLUTION」。ここに投入されたEV技術、4WD制御技術などを盛り込んで、エクストレイルとプラットフォームを共用して開発される次期型アウトランダーをベースにスポーツSUV、すなわちランエボSUVが開発される

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