■夜の街でナニするクルマから昼に健全に乗るクルマへ
ベースとなった「bB」は、ひと目でわかる存在感のあるトールボックスデザインと、若者のさまざまな使い方をサポートできる広く快適な室内空間を特徴とするコンパクトカーとして登場した。その車名は、未知の可能性を秘めた箱「ブラックボックス」のイニシャルからネーミングされている。
スタイルは“箱”をイメージさせるもので、プレスラインや余分な膨らみを付けないプレーンな面で構成された箱型を基本に、サイドに大きく回り込んだフロントウインドウなどによって、張りのある背高の斬新なワゴンデザインを創造していた。
これをベースに、Cピラーから後方のルーフ部をバッサリと切り取って、まるでトラックのような荷台を作り出したのが「オープンデッキ」の最大の特徴だ。ピックアップトラックほど商用車的ではない、アクティブライフにマッチする洒落たルックスは、ベース車のワルっぽいイメージを払拭し、昼間が似合う健全なbBに仕立て上げていた。
ボディサイズは全長3895mm×全幅1690mm×全高1670mmで、ベース車に比べてリアのオーバーハングを延長したぶん、全長が50mm伸び、専用のユーティリティレールを装備したことで前項が30mm高くなっている。
ベース車との寸法差は微々たるものだが、ルーフ後端部分が切り取られ、荷室空間だった部分が荷台となっていることに注目が集まった。その斬新なルックスは、オープンデッキが登場するより前に「マー坊」の通称で親しまれたスズキのマイティボーイを彷彿とさせた。
荷台はラゲッジルーム部分の屋根を切り取っただけなので、軽トラよりも狭い。長さもなければ、高さも乏しいので、本格的に荷物を積むという用途には適さない。
本気で実用性を求めるなら、ミニバンとかワゴンといった他の選択肢のほうがよっぽど理に適っているし、実用性を鑑みてbBオープンデッキを買う人は、おそらく少数派だったはずだ。それでも荷台と車内を遮るパネル部分にはデッキスルードアが設けられ、リアウインドウはガラスハッチとすることで、荷台部分と車内を一体化させるという工夫は「便利に使えそう」と思わせるものだった。
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