■4台に1台が黒色ボディという超人気のSUVって何じゃ?
黒ボディカラーをまとえば、たちまち勇ましく格好よくキャラ変することがなんとなくわかったところで、実際、黒色ボディカラーはどれほど売れているのだろうか? 知りたいですよね~。ということで、トヨタ自動車・広報部から人気モデルの総販売台数に占める黒色ボディカラーの概算比率を提供してもらった。
データは2023年1月~11月までの累計台数のもので、2トーンなどは含まず「黒色のモノトーン」だけのものです。
■ランドクルーザー300(ブラック)30%
■カローラクロス(アティチュードフラックマイカ)25%
■クラウンクロスオーバー(ブラック)20%
■プリウス(アティチュードフ゛ラックマイカ)20%
■ヤリスクロス(ブラックマイカ)20%
■シエンタ(ブラック)10%
■ヤリス(ブラック)10%
■アクア(ブラックマイカ)10%
……おおぉ~。カローラクロスは4台に1台が黒色ボディということですね。どちらかというと、ほのぼの系のヤリスも10%と意外と高い。
■なぜ日本人は黒、白、シルバーのボディカラーが好きなのか?
ほのぼの系のクルマのキャラ変や、黒色ボディは意外と売れている! ことがデータで判明したところで、最後に一般社団法人・日本流行色協会(JAFCA)へ「黒色ボディ」などのクルマについて直撃しました~。
回答いただいたのは、カラートレンドR&D カラープランナー/JAFCA自動車色彩分科会担当:武田里美さん。
――日本で売られるクルマ全体のなかで、黒色ボディカラーの比率はどれほどでしょうか?
「生産台数ベースですが、直近のJAFCA車体色調査・2022年度調査(2021年9月~2022年8月)の結果は、黒色は16.8%です。近年18~20%の間で推移していますが、今回は若干減少していますね。
■江戸時代から、日本人は白~灰色~黒の微細な変化を楽しんでいる!
――おそらく日本では黒、白、シルバーのボディカラーのクルマが売れていると思いますが、なぜ日本人はそれらを好むのですか? よく言われる「リセールバリューの高さ」、ズバリこれでしょうか?
「はい。その要因はあると思われます。でも、白、シルバーに比べ、黒はファッションなどのトレンドと連動している可能性があります」
――黒がファッションと結びつくのはわかる気がします。
「また、日本人は無彩色系に対して感性が高いともいわれています。江戸時代には、政府から奢侈禁止令が発令されているなか、『四十八茶百鼠』といって灰色や茶色の微妙な色合いを変化させ、色を楽しんでいた経緯があります」
――ふむふむ。なんだか歴史&文化的なウンチク話になりましたね。それで……?
「はい。そのため、白~灰色~黒の無彩色の色の微細な変化に対して色彩の豊かさを感じる文化が自然と根付いているため、日本人は黒、白、シルバーを好んでいるのだと思います」
……黒色ボディカラーをきっかけに「我々日本人に知らぬ間に流れている感性」までわかったところで、締めといこう。
記事担当が個人的に「ひゅ~。格好いい」と思う黒色ボディカラーのナンバーワンは、マツダのMAZDA2だぁ(下写真)。これにて「黒色ボディカラー話」終了いたしやす。
コメント
コメントの使い方昔の箱型車など、抑揚のないボディだと、黒でも別に格好良くなかったのが、
近年の車は非常に凝ったボディパネルしていて、フォルムもワンモーションに近い攻めたものが多くなって、それによって黒が映える車がとても増えてる。
黒は維持が苦労の塊。それだけ車に手間と愛情掛けられる人じゃないと乗れないが、今の黒似合う車なら選ぶ価値はあると思います