車検2年付きは車検費用込み?
「ASK」の説明だけでかなり紙幅を使ってしまいましたが、お次に「検2年付」という中古車用語についてご説明します。
「検2年付」というのは、もう少し丁寧な日本語で書くと「車検2年付き」ということですから、ごく普通に読めば「ああ、この中古車は車検が丸々2年残っているんだな」という解釈になります。
ですが、その解釈は不正解です。「検2年付」という用語の正しい意味は、「2年車検を合格するために必要な整備費用が、車両本体価格に含まれている」というだけのことなんです。
そのため「検2年付って書いてあるから、車検に関する費用はいっさいかからないんでしょ?」と思ったら大間違い。実際は車検代行費用や重量税、自賠責保険料などのモロモロが別途必要です。
「なんだかわかりにくい!」と思いますか? 確かにそうですよね、このあたりの用語は非常にわかりにくく、不親切です。
そのため中古車情報メディアサイトのカーセンサーやグーネットでは数年前に「検2年付」という表現を完全に廃止しました。
そして代わりに「車検整備付」「車検整備別」「車検整備無」などの用語を採用しています。これならば中古車に不慣れな人でも、なんとなく内容をパッとイメージできるのではないでしょうか。
自動車公正取引協議会においても、消費者トラブル未然防止の観点から、車検証の有効期限の表示に代えて上記のような表示を行う場合は、「検2年付」という表示ではなく、販売価格に法定24カ月点検整備費用を含めたうえで「車検整備付」と表示するように指導しています。
事故車(修復歴車)の判断基準は?
そのほか、ちょっとわかりにくい中古車用語は「事故車」でしょうか。正確には事故車ではなく「修復歴車」というのが業界用語なのですが、これは要するに「クルマの骨格」にあたる部分を交換または修復(修正・補修)した中古車のことです。
そして「クルマの骨格にあたる部分」というのは、クルマに詳しくない人にとってはまるで何か呪文のように聞こえるかもしれませんが、サイドメンバーとクロスメンバー、インサイドパネル、ピラー、ダッシュパネル、ルーフパネル、フロア、そしてトランクフロアです。つまりは骨組みの部分ですね。
これ以外の部分、例えば「リアフェンダー」をぶつけて交換したけど、その奥にある「リアサイドメンバー」は無事だったという場合は修復歴車(事故車)にはならず、「外板価値車」という扱いになります。……ちょっとややこしいですね。
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