タイヤの減りとフロントガラスの曇り
雨天での事故の原因は大まかにいって、路面が雨で濡れた状態でのタイヤのスリップと視界不良が主な要素なのだが、あらかじめ用心しておくべき注意点をまとめておこう。
走行前に行うべきは、まずはタイヤの状態をチェックすること。スリップサイン(溝が1.6mm以下)が現われているような、使い古したタイヤをそのまま使い続けているのは、自分(とクルマ)を自ら危険にさらしているようなものだ。
次に手を施しておきたいのは、事故の原因になるフロントガラスが曇って前方の視界が妨げられることだ。
雨が激しくなれば、ワイパーブレードが劣化して切れたりひび割れしていると、雨滴を充分に払い飛ばせなくなる(交換の目安は約1年)
フロントガラスの曇りを防ぐには、ウィンドウの内外の汚れを取っておくというような日頃の整備を特にこの時期には注意を払っておくべきで、運転中に降雨でフロントガラスが曇ってくれば、デフロスターを活用して視界を確保する。
サイドウインドウも曇ってしまうと、周囲の状況が把握できず、ルーム/ドアミラーに映し出される視界も妨げられるから、ひどく汚れていないかを確認しておくべきだろう。
視界の確保と速度抑制
では実際に走行中に雨に見舞われた時には、何に注意すべきかをまとめておこう。
実際に雨中での運転操作で気をつけなければならない点で(安全運転の基本と変わりはないが)、特に留意しなければならないのは以下のふたつだ。
1/ステアリング、ブレーキ、アクセルペダルの急な操作を避ける
2/早めのタイミングでブレーキをかける
それでも、最近頻発するようになってきた急な豪雨に遭遇した場合には、ハイドロプレーニング現象が起きてブレーキや操舵が効かなくなることも頭に置いておくべきだ。
年式の新しいクルマで、ABS(アンチロックブレーキ機構)やESC(横滑り防止機能)やトラクションコントロール(駆動力制御)などといった安全機能が装備していれば、慌ててステアリングなどを操作せずに、システムが作動して車両が制御することに、ある程度は身を委ねる勇気が必要になる。
無駄な操作をしてしまうと、周囲の車両を巻き込んで、事故の規模をさらに大きくしてしまう可能性もある。
さすがに「なにもするな!」とは言わないが、最近のクルマの安全性能のレベルは、自動ブレーキをはじめとして、人の能力を上回るレベルにあることを認識しておくべきだろう。
具体的な雨中の車内で優先して実行したいのは、まずはしっかりと視界を確保するために、雨が降って車内の湿度が上がり、ガラスが曇ってきた場合には、エアコンのデフロスターを作動させて、ウインドウの曇りを取ることだ。
夜間はもちろんだが、雨で周囲が暗くなれば、ヘッドライトを早めに点灯して、ハイビームも有効活用することも考えておくべきだろう。
雨中で路面が滑りやすいので早めのブレーキングを心がけることは、ブレーキランプの点灯によって後続車にブレーキングが必要となっているような走行状況をしっかりと認識してもらうことにつながる。
そのうえで、前述のような「急」の付くような操作、急ブレーキやコーナリング中での急なブレーキ/アクセル操作は可能な限り避けたほうがよい。
そしてなにより、走行速度の抑制、スピードの出し過ぎに注意というのは基本中の基本。
よく言われる「雨天時の運転では、普段よりも約2割の減速を心がけるべき」という感覚はまっとうといえるのだが、前述のように、自分のクルマがどのような道路環境で走っているのかをイメージしておくのは無意味ではないと思う。
周囲の状況に合わせて、晴天雨中にかかわらず、周囲の状況に合わせて、危険を招かないような運転を心がけたい。
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