事故4倍!? 雨天時の運転で注意すべきポイントとは?

事故4倍!? 雨天時の運転で注意すべきポイントとは?

 沖縄、九州南部、東海、関東甲信越、東北地方が梅雨入りし、これからが梅雨本番といった感じですが、ドライバーにとって気をつけなければいけないのは雨天時の事故です。

 首都高速道路では梅雨入りしたことに伴い、交通事故防止キャンペーンを始めています。そのデータをみると首都高では年間1万1000件前後の交通事故が発生しています。

 晴天・雨天別での1時間当たり交通事故件数を算出すると、晴天時は1.01(件/時間)、雨天時では3.61(件/時間)で、雨天時には晴天時の約4倍の割合で交通事故が起きているそうです。

 そこで、雨が降ったら、どのような運転が事故に結びつくのか? 雨の日は晴れの日と違い、運転に際して注意すべきポイントはなにか? 

 また雨の日に事故に遭わないために、クルマのどの部分をチェックする必要があるのか? モータージャーナリストの岩尾信哉氏が解説します。

文/岩尾信哉
写真/Adobe Stock


首都高速での事故は雨の日の事故が晴れの日に比べ4倍増!

首都高速道路では雨が降ると晴天時に比べ、事故率が4倍に跳ね上がり、なかでも施設接触事故は14倍にも跳ね上がり、60Km/h 以上での走行中が約6割を占めるという
首都高速道路では雨が降ると晴天時に比べ、事故率が4倍に跳ね上がり、なかでも施設接触事故は14倍にも跳ね上がり、60Km/h 以上での走行中が約6割を占めるという

 首都高速道路(以下、首都高速)は、6月6日~7月31日の期間で、雨天時の交通事故防止キャンペーンを実施している。

「雨の日は交通事故が4倍! 施設接触事故“が約12倍!」と、具体的なデータを掲げて、注意を呼びかけている。

 このキャンペーンで首都高速がホームページなどで提示している晴天時に比べた際の雨天時の事故発生軒数件を比べたデータを以下にまとめてみると、首都高では年間1万1000件前後の交通事故が発生しているなかで、平成30年度のデータに基づき、以下のポイントを挙げている。

1/交通事故のリスクが4倍増
2/「施設接触事故」の件数が約12倍に増加
3/施設接触事故では60km/h以上での走行中が約6割を占める

順に追ってみると、
1:晴天・雨天別での1時間当たり交通事故件数を算出すると、晴天時は1.01(件/時間)、雨天時では3.61(件/時間)となって、雨天時には晴天時の約3.6倍の割合で交通事故が起きているという。

2:首都高での事故のうち、晴天時には「追突事故」が5割弱、「施設接触事故」(主に側壁や中央分離帯などに衝突する自損事故)は約1割にとどまるのに対して、雨天時には施設接触事故の割合が約3割まで増加している(追突事故は約4割といくらか減少)。

3:晴天時と雨天時の1時間あたりの施設接触事故の発生件数を比べると、雨天時の件数が晴天時の約9倍に達している。つけ加えておくと、雨天時の施設接触事故は約6割が60km/h以上での走行中に発生しているとしている(60km/h以下は約3割)。

 参考として、公益財団法人 交通事故総合分析センターが一般道を含めた傾向を分析した過去の事故データを見ると、天候の影響を受けやすい事故の発生場所として、道路の線形(カーブの曲率など)や勾配の変化などが事故の発生軒数と結びついているという。

 雨天時のデータをさらに調べてみると、雨天時の死亡事故が最も多い時間帯は深夜1~2時で、一般道では右折時に横断歩道の暗がりにいた歩行者に気づくのが遅れての事故が多いという。

 首都高や高速道路、一般道を含めて、当たり前と言われてしまうかもしれないが、雨と暗さによる視界不良が事故の増加をもたらす、大きな要因であることはいうまでもない。

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