トヨタ新型スープラ発表!! 「スープラ復活」に込められた“初志貫徹”の狙いと意義

■先進安全装備も完璧に揃っている

 スポーツカーとして必要なアイテムがすべて揃っているGRスープラだが、現代のクルマらしくADAS(先進運転支援システム)系も充実している。

 ステアリング制御機能付きの車線逸脱警報、ブラインドスポットモニター、昼間の歩行者、自転車に対応する緊急自動ブレーキ、自動ハイビーム、後退時の左右接近車警報、それに停止まで制御するレーダークルーズコントロールが全グレード標準。

RZの内装はイグニッションレッドが標準となる(写真上)。下のブラック内装はSZ-Rのもので、RZはアクセル&ブレーキペダルがスポーツタイプになるが、そのほかは色以外に両車の差はない

 また、3年間無料の「トヨタスープラコネクト」が付くHDDナビも全車標準だし、RZとSZ-Rは12スピーカーのJBLプレミアムサウンドシステムも標準装備となる。

 インテリアは視界がよく、姿勢変化がつかみやすい水平基調のインパネを採用。BMW Z4とはデザインを相当変えているのはトヨタのこだわりだろう。TFT液晶式メーターも未来的であり、また視認性がいい。

ホールド性に優れたシートも魅力。グレードにより素材と色は異なるが、シート形状自体は全車共通となっている

 ホールド性に優れたスポーツシートはRZとSZ-Rがアルカンターラ+本革で、SZはファブリック地。

 シート表皮のカラーは、RZはイグニッションレッドが標準でブラックがオプションSZ-RとSZはブラックとなっている。どのグレードでもシートの形状は同じだ。

 タイヤはRZが19インチ、SZ-Rが18インチでミシュランパイロットスーパースポーツを履く。SZは17インチでBSポテンザS001またはコンチネンタルスポーツコンタクト5だ。

RZは前255/35ZR19、後275/35ZR19でミシュランタイヤを装着
SZ-Rは前255/40ZR18、後275/40 ZR18でミシュランタイヤを装着
SZは前225/50R17、後255/45R17でブリヂストンまたはコンチネンタルタイヤを装着

■過去の伝説を引き継ぎ、新たな伝説を創る

 友山茂樹GAZOOレーシングカンパニープレジデントは言う。

「スポーツカーは売れない、儲からないと冷ややかにみられるかもしれません。でも、スポーツカーをやめたらクルマに何が残るのか。売れるまで、儲かるまで改善を積み重ねるのがトヨタの姿なのです」

5月17日メガウェブで行われた発表会にて。友山茂樹 GAZOOレーシングカンパニープレジデントはスープラにまつわる多くのエピソードとともに、復活したGRスープラの魅力をアピール。実は友山氏自身、フルチューンを施した80スープラを長く乗り続けている

 GRスープラは過去の伝説を引き継ぐ使命がある。そのためにはモータースポーツでの活躍は欠かせず、今年は米国NASCARのエクスフィニティクラスに参戦して10戦で6勝を挙げており、来年からはスーパーGTのGT500クラスに参戦。

 また、市販状態の性能が強さに直結するニュルブルクリンク24時間耐久レース(6月22〜23日)にも参戦し、レースで得られた知見を市販車にフィードバックして進化に結びつける体制も整っている。

「実は、モリゾウさん(豊田章男社長)に、このクルマがスープラを名乗っていいと許可されたのは最近のことなんです」と友山氏は意外な事実を公表した。豊田社長には速さよりも、長く走れる(=乗りやすい)クルマでなければスープラではないという思いがあり、それを認められたのが最近だったとのこと。

「17年ぶりのスープラの復活を一番喜んでいるのは成瀬さんでしょう」と友山氏。新たな伝説への幕が上がった。

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