五輪開催期間中 都内大渋滞の対策はいかに?首都高料金上乗せの是非

渋滞対策を取らないと都内の道路は大パニックに!

TEXT/ベストカー編集部

何も対策をとらなかった場合の大会輸送影響度MAP

出典/東京オリンピック・パラリンピック準備局<br>
出典/東京オリンピック・パラリンピック準備局

 すでに昨年、東京都オリンピック・パラリンピック準備局が「大会輸送影響度マップ」を発表している。このマップは、来年7月25〜8月8日までの17日間の開催期間中、何も交通対策を行わなかった場合に道路や鉄道に生じる影響をまとめたものだ。

 それによると、17日の期間中すべてが混雑しているというワケではない。主に仕事で使われるクルマが走らない日曜日は比較的、渋滞が緩和されているからだ。

 首都高で特に激しい渋滞が予想されているのは、まず7月31日の金曜日。首都高6号向島線の箱崎付近下りでは朝9時から23時まで渋滞が予想されている。

 さらに3号渋谷線の池尻付近下りでは朝6時から24時まで一日中渋滞するとの予測が出ている。この渋滞理由のひとつに、大会関係者の移動が含まれることも取り沙汰されているようだ。

 このほか、都心に向かう首都高の入口を一部封鎖したり、入口手前での車線制限などを実施したりするなど、首都高へのクルマの流れを抑える計画だという。

 そうなると首都高に入れないクルマは一般道に流入し、商用車が走る平日は渋滞が激しくなるのは当然だが、都内全域の一般道での移動は期間中、朝8時から夜22時までは通常の3割以上の遅れが出ると予測されている。

 また、五輪開催1年前となる2019年7月末〜8月中、東京都は時差出勤の拡大や職場以外での勤務を行うテレワークなど、交通量の抑制を目的とした実証実験を実施する。

 その結果次第によっては、ロードプライシングとして上乗せされる料金1000円という金額も今後変更される可能性があるという。

物流関係のトラックなどを除く一般車に日中1000円上乗せは高すぎないか?

TEXT/清水草一

詳細は不明なものの、普通車と軽・二輪のみプラス1000円だと普通車扱いのトラックが特大車より料金が高くなる懸念も
詳細は不明なものの、普通車と軽・二輪のみプラス1000円だと普通車扱いのトラックが特大車より料金が高くなる懸念も

 2020年東京オリンピックに向け、国や東京都が期間中の渋滞対策として、首都高中央環状線とその内側の区間で、物流関係のトラックなどをのぞく一般車に対し、料金を日中1000円上乗せする案を検討していると報道された。

 この原稿の執筆時点、2019年5月末現在ではあくまで「検討中という報道」のみだが、とりあえずこの案はかなり乱暴だ。

 対象が「物流関係のトラックなどをのぞく一般車」ということはつまり、普通車と軽・二輪を指すのだろうか? 普通車扱いのトラックも多いが、それは一般車に分類されるのか。それとも4ナンバー車は対象から外れるのか。

 あくまで検討中という報道だけなので、当然詳細は不明だが、仮に普通車と軽・二輪だけのプラス1000円だとすると、利用距離によっては、特大車より普通トラックのほうが料金が高いといった不合理が生じる。

 大会期間中、鉄道やバスなどで代替の利く乗用車を、首都高からなるべく排除したいのはわかるが、なぜそんな大雑把なことを? と言わざるを得ない。

 大会期間中、首都高でロードプライシングを実施することに関しては理解している。

 いや、むしろ必要だ。それはきわめて特殊な期間(17日間)で、その間は制約が生じて当然だし、個人的には首都高ではいろいろ細かい時間帯別ロードプライシングを実行して、それによって交通量がどう変動するか、データを今後に生かしてほしいと考えている。

 なのに、ETCの利用率が96%に達している首都高で、なぜ「とりあえず1000円!」みたいなずさんな案が検討されている(?)のか。

 まぁ、ロードプライシングが複雑すぎると、利用者が理解できずに交通量抑制効果が狙いどおり発揮されないという懸念もあるが、それにしても大雑把すぎる。これが現金利用車に対するものならわかるが……。

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