軽自動車の躍進が続いている。今や日本市場の登録車、軽自動車を合わせた新車販売台数全体に占める軽自動車の割合は36.5%に達する。
これでまだ驚いてはいけない。2019年1~6月の登録車、軽自動車を合わせた新車販売台数を見てほしい。
実に登録車1位プリウスの7万277台の約1.8倍の13万1233台で、ダントツ1位でN-BOXがランクイン。しかも登録車1位のプリウスは5位に入るのがやっとだ。
上位10台の内、なんと軽自動車が6台も入っているのだ。
■2019年1~6月 新車販売台数トップ10(登録車+軽自動車)
1位/N-BOX 13万1233台(102.9%)
2位/スペーシア 8万9750台(112.6%)
3位/タント 8万1828台(114.0%)
4位/デイズ 7万9789台(111.2%)
5位/プリウス 7万277台(109.8%)
6位/ムーヴ 6万8833台(92.9%)
7位/ノート 6万8543台(93.4%)
8位/アクア 6万349台(91.2%)
9位/ミラ 5万5439台(110.6%)
10位/セレナ 5万3662台(95.7%)
※カッコ内は対前年同月比
まさに軽自動車、恐るべしである。そこで、登録車を青ざめさせる、侮れない実力を持った軽自動車をモータージャーナリストの清水草一氏が紹介する。
文/清水草一
写真/ベストカー編集部
日本の軽自動車は本当に凄い。凄いからこそ、国内シェア36.5%(2018年)にまで到達したわけです。
一番凄いのはスペース効率だ。全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2m以下、排気量660㏄以下の軽規格という限られたサイズの中で、恐ろしいほどの広さを実現している。
まさに小は大を兼ねる……というより、大より小のほうが広いのだから恐れ入ります。
そのほかにも、小は大を兼ねた登録車超えの性能を持つ軽はいろいろある。今回はその代表選手をご紹介しましょう。
アルファードよりスライドドア開口部が断然広いタント
新型タントは2019年7月9日に発表されますが、発表前にすでにプロトタイプを先行公開していますので、その情報からひも解いていきましょう。
ダイハツが新型タントから採用を始めた新しい開発手法「DNGA」は、文字通り「小は大を兼ねる」を謳い文句に、登録車のA、Bセグメントにも展開できるようになっている。
それはともかく、タント最大のウリは、左側のセンターピラーを廃してとんでもない開口部を実現した「ミラクルオープンドア」でござります。
左側の前後ドアを開くと、ドアの開口部は、先代タントで1490mmもあり、アルファードの810mmを大幅に上回る。ほとんど2倍近いのだから、上回るというよりケタ違いと言ったほうがいいだろう。新型タントの開口幅はまだ発表されていないが、おそらく現行と同等かそれ以上だろう。
しかも新型タントは、ミラクルウォークスルーパッケージと称して、運転席のスライド量を世界初(ダイハツ発表)の540mmにすることで、この左側のミラクルオープンドアから、ラクラクと運転席へもアクセスできるようになっている!
さらにさらに、パワースライドドアには軽自動車初となる「ウェルカムオープン機構」も装備できる。降車時に予約をしておけば、両手がふさがっていても、クルマに近づくだけでドアが自動で開くのだ!「開けゴマ」と言う必要すらない!
凄すぎる! ロールスロイスにだってこんな機構はない。まぁロールスロイスは運転手さんが開けてくれるのでしょうが、その人件費がいらないタントはスゲエ。
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