2017年次の「RJC カー オブ ザ イヤー・インポート」を受賞したボルボのフラッグシップモデルXC90に「D5」が登場。最新デバイス「パワーパルス」を投入し日本に上陸を果たした。
またアウディからは全グレードにマイルドハイブリッドを搭載したアッパーミドルセダン「A6」の8代目が登場。電動化の導入により、快適性も向上したという。
両最新輸入車の試乗の様子をお届けする。
〈ボルボ XC90 D5 ここがポイント!〉
■新デバイス「パワーパルス」で、ディーゼルで薄くなりがちな低速域をアシスト
■初期型よりも進化をしっかり感じることができる熟成のエアサスペンション
■WLTCモード燃費13.6km/Lと欧州ディーゼルのなかでも優れた燃費性能
■T6よりもお買得な価格設定
〈アウディ A6のここがポイント!〉
■後輪を左右独立操舵するダイナミックステアリング4WS
■クワトロ4WDシステムはアクティブ予測制御で緻密に制御
■タッチパネル式のコントロールパネルを採用
■3L、V6は48Vマイルドハイブリッドシステム採用
※本稿は2019年6月のものです
文:鈴木直也、編集部/撮影:平野学、西尾タクト
初出:『ベストカー』 2019年7月10日号
※「主要諸元」の一部に誤記がありましたので修正いたしました。大変失礼いたしました(2019.7.19 16:00)
■ボルボXC90 D5 ──最新デバイスを投入した新ディーゼルエンジン日本初上陸!!
(TEXT/鈴木直也、PHOTO/平野学)
ボルボのフラッグシップXC90に追加された「D5」は、約860万~約950万円という価格レンジ。このクラスの大型SUVでは、ベンツGLEもBMW X5もディーゼルが主力だから、これらライバルと対抗するうえで魅力的な追加車種の投入といえる。
注目のそのディーゼルだが、ほかのボルボ車よりグレードの高い“D5”仕様を搭載している点が注目だ。
基本的には、2L直4シーケンシャルツインターボでD4と共通だが、高圧側ターボを可変容量とするほか、タンクに蓄えた高圧エアで過給をアシストする“パワーパルス”という新デバイスを追加。
スペックは235ps/48.9kgmと、D4に対して45ps/8.2kgmの大幅アップを果たしている。
ただし、実際のドライバビリティは車重(XC60より200kg以上重い)と相殺されたようで、意外やマイルドな印象。
はじめD5はハイパワー版かと思ったが、ハイブースト化とパワーパルスは重量級ボディを不足なく走らせるための追加装備。そう考えるほうが正しいように思われる。
エンジンは予想より大人しかったが、熟成の進んだサスペンションは期待を裏切らない好印象だった。
今回はエアサスと標準仕様(複合素材製リーフスプリング)ともに試乗できたが、いずれも乗り心地の上質感はピカイチ。
重量級SUVならではの重厚な乗り味と、緊急回避などにおける確かな回頭性がしっかり両立している点も素晴らしい。
XC90シリーズ一番の売れ筋となることは間違いないと思います。
〈ボルボ XC90 D5主要諸元〉
・全長:4950mm
・全幅:1960mm
・全高:1775mm
・ホイールベース:2985mm
・エンジン:直4DOHCターボ(ディーゼル)
・排気量:1968cc
・最高出力:235ps/4000rpm
・最大トルク:48.9kgm/1750〜2250rpm
・トランスミッション:8速AT
・WTLCモード燃費:13.6km/L
・価格:859万〜944万円
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