スバルの自動ブレーキのアイサイト、そのアイサイトを搭載したクルマの車高について不思議なことがある。BC編集部のレヴォーグにも搭載されており、毎年行われるJNCAP予防安全性能評価では、デビューからその高い性能が評価されている衝突被害軽減ブレーキシステム「アイサイト」。
しかし、その取扱説明書には注意書きがズラリと並び、そのなかの1文にはこう書いてある。
次の状態では、システムが正しく動作しません。プリクラッシュブレーキをOFFにしてください。→サスペンションを改造したとき(スバル純正も含む)。
ステレオカメラで対象物を認識するアイサイトでは、ちょっとした変化でも画角が変わるので、保証できないという内容だ。とはいえ、市場にはアフターパーツメーカーから車高調も多く販売されているし、アイサイトも欲しいけど、見た目も好みの仕様に変更したいというユーザーの声も多い。
では実際、アイサイト搭載車の車高事情はどうなっているのか? まずは製造元であるスバルに聞いてみた。
スバル、STIに聞いてみた!
レヴォーグなどアイサイト搭載車は車高を下げると、どのような支障が出るのだろうか?
「車高を下げると、各種機能が正常に機能しない恐れがあります」
しかし、スバルの特別限定車フォレスターtsでは、純正より15㎜下がって、インチアップもされているが……。
「フォレスターtsでは、車高を下げた分に合わせて、専用チューニングを行っています。ですから、各自で車高を下げるのはおやめください」
アイサイト診断などで設定を調整するように、アフターでその車高に合わせて変更はできないのだろうか?
「誤作動を起こさないように、厳しい試験を行っておりますので、個別での調整はできません」
ん〜、なかなか難しいようだ……。では、話に出たフォレスターtsを共同開発しているワークスチューニングメーカーのSTIならば何か知っているかもしれない! ということで聞いてみた。
「tsを共同開発していますが、我々はパーツの開発や、ハンドリング面などを担当しているので、アイサイトの調整はしていません」
とはいえ、現在アイサイトを搭載したレヴォーグのローダウンスプリングを開発しているとのことなので、その辺の情報は持っているのでは?
「秋頃の発売を目標に、現在開発を進めています。しかし、STIとしても車高を何㎜下げられるという情報は、スバルから提供されていないんです。スバルのディーラーには、アイサイトを調整するために許容範囲の情報があるとは思いますが……」
たとえ直系であっても、社外には情報を出さないということのようだ。では、現状はどのように開発を進めているのだろうか?
「まさに今その問題を、STIとしてどのように保証するかというテストを繰り返している状況です。車高の下げ幅も含めて、手探りと言えます」
直系のSTIですら困っているこの問題に、その他のアフターパーツメーカーも困っているのではないだろうか? 各メーカーに、その実情を聞いてみた。
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