ディスクローターやブレーキフルードもチェック!
さて、磨り減ったブレーキパッドを交換するだけでは、ブレーキの整備としては片手落ちだ。ディスクブレーキの場合、ディスクローターも磨り減っていくし、前述のようにフルードも劣化する。
特に輸入車の場合、ブレーキのフィーリングにこだわってパッドとディスクローターの両方が摩耗するので、パッド交換2回に対してローターを1回交換するのが通常の交換頻度だ。
ブレーキフルードの交換は、サーキットでスポーツ走行を楽しむというほどブレーキをハードに使うドライバーでなければ前述の通り、2年に1度で充分。フルードを入れ換えるとブレーキペダルのフィーリングでダイレクト感が高まり、ペダルのストロークも減って制動力がコントロールしやすくなる。
ブレーキフルード交換も自分で行なうことはできるが、専用の道具を使わないのであれば、一人で作業するのは難しい。
ブレーキペダルを踏みながら、キャリパー内のフルードをブリードニップルから抜き取る必要があるからだ。またブリードニップルの締め過ぎはキャリパーを使用不能にしてしまうので、メンテ上級者になってから作業するべきだ。
最終的にブレーキ系は、マスターシリンダーやブースター、キャリパーやホースなども内部が劣化していくので、乗り続けるためには完全にオーバーホールする必要が出てくることを覚えておきたい。
ディーラーや整備工場にブレーキの整備を依頼するといくらかかるのか?
自分で整備まではできなくても、点検だけでも行なえば、ブレーキパッドが使用限度(貼られている摩材全部を使い切る、という意味ではない)まで摩耗した状態まで使い切って交換作業を依頼できるので、部品代の節約にはつながる。
しかし点検までディーラーに依頼する場合、は話が変わってくる。次の点検までに使用限度に達してしまう恐れがある場合は、ディーラーは早めの部品交換を勧めてくるからだ。
すべてをディーラー任せにしているなら、点検と部品交換を一度に済ませたほうが作業代の節約になるので、結局は安上がりになることも多い。
ブレーキフルードやパッドの交換は、点検と同時であれば部品代+αで済むが、ディーラーで単独の整備を依頼すれば工賃だけで2、3万円(車格によってはさらに高額に)はかかる からだ。
パッド残量を定期的に見て、最適なタイミングでブレーキパッドを交換できるのが、所有者自らが点検することの最大のメリットだろう。
オートバックスなどのカー用品店では、ブレーキパッドやフルードの交換は純正品ではなく、高性能なスポーツパッドやフルードを選ぶこともできるし、格安な純正代替品を選ぶこともできる。
ショップによってはネットで部品を購入し、持ち込みで交換してくれるところもある。
部品、整備工賃はショップによってまちまちだが、ディスクブレーキのパッド交換の場合、1輪あたりの整備工賃は5000円あたりが相場だ。
しかし地域やショップによって大きく変わることがあるので、事前にネットなどで調べて、信頼できるショップのなかから手頃な費用のところを選ぶようにしたい。
走行中、ブレーキからこんなサインが出たら要注意!!
最後に高速道路を走行していてブレーキをかけるとステアリングが振動する、というのならディスクローターが偏摩耗している可能性が高い。
また走行中、常にキーッと高い音が出ているのは、ブレーキパッドが摩耗限界に達してセンサーがディスクローターと接触している場合が多い。こうなったら、できるだけ早くブレーキのメンテナンスを行なうべきだ。
近年はユーザー代行車検で維持費を安く済ませようというユーザーも多い。しかしユーザー車検はユーザーが自己責任で点検整備を行なうことが前提で、代行車検業者の中には車検に合格することだけを優先して費用を安くしている場合もあるので、キチンと点検整備をしてくれる業者確認するか、そうでなければ自分で点検するようにしなくては危険だ。
クルマをDIYメンテナンスすることは、整備費用を抑えるだけでなく、自分で愛車の問題点を克服できたという達成感、愛車を好調に維持できているという満足感が味わえるのも楽しみだ。
徐々に作業範囲を広げるようにして、楽しめれば、趣味と実益を兼ねた一石二鳥になる。
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