【止まらないブレーキ要注意!!】クルマ初心者にもできるブレーキの手入れとは?

ブレーキフルードの量、汚れをチェック

ブレーキフルードのチェックは、ブレーキリザーバータンク内の液量が規定の範囲(MAXとMINの間)にあるかを点検。 ブレーキ液の減りが著しい時は、ブレーキ系統からの液漏れやブレーキパッドなどの摩耗が考えられるので整備工場へ依頼して原因を突き止めよう
ブレーキフルードのチェックは、ブレーキリザーバータンク内の液量が規定の範囲(MAXとMINの間)にあるかを点検。 ブレーキ液の減りが著しい時は、ブレーキ系統からの液漏れやブレーキパッドなどの摩耗が考えられるので整備工場へ依頼して原因を突き止めよう

 ブレーキフルードのリザーバータンクを見て、ブレーキフルードの量と汚れをチェックする。最初はリザーバータンクを外から見て、レベルに達しているか確認することから始めたい。

 基本的にはブレーキフルードは減っていくものではない。ブレーキフルードが減っているなら、それはフルードが蒸発していたり漏れているというより、ブレーキパッド(ディスクブレーキ)やブレーキシュー(ドラムブレーキ)が減って、それらを押し付けるピストンが移動することでフルードの内部使用量が増加している、ということだ。

 昔はドラムブレーキのホイールシリンダー(ブレーキシューをドラムに押し付ける部品)の内部が虫食い状に腐食して、ドラムブレーキからフルードが漏れるようなトラブルもあったが、現在はそんなトラブルはほとんどない。

 リザーバータンクを外から見ているだけでは、ブレーキフルードの汚れは分かりにくい。キャップの内側に付着しているフルードをボディに垂らさないように(塗装が剥がれたりシミになる)注意しながらキャップを外し、直接フルードの色を確認したい。

 ブレーキフルードは使用しているうちに劣化してくる。新品時のフルードは若干黄色がかった透明だが、タンク内のフルードが茶色くなってきているようなら全量交換する必要がある。目安は2年に1度、車検時がちょうどいい。

ある程度のスキルがあるならホイールを外してパッドの状態も確認したい

 ブレーキパッドはおおよそ新品が10mmで摩耗限界は2mmだが、5mm以下になったら交換を検討したい
ブレーキパッドはおおよそ新品が10mmで摩耗限界は2mmだが、5mm以下になったら交換を検討したい

 スタッドレスタイヤへの交換を自分でできる程度のスキルがあるなら、ブレーキパッドの残量を確認することもできるだろう。

 ジャッキアップしてタイヤホイールを外し、ブレーキキャリパーの隙間からブレーキパッドの側面を見て摩耗具合を点検するのだ。

 ステアリングを左右どちらかに大きく切れば、ホイールハウス内に頭を入れなくても点検はできる。

 万全な状態で点検するならジャッキで持ち上げただけの状態では不安定なので、リジッドラックなどでしっかりとクルマを固定することだ。

ドラムブレーキの点検方法

リアブレーキにドラムブレーキを採用している車種は意外に多く、プリウス(先代20系)、アクア、シエンタ、ヴィッツ、ノート、マーチ、フィット、スイフト、デミオ、ハイエース、キャラバンなどが採用している。軽自動車ではN-BOX、デイズ/ek、ワゴンR、タント、スペーシア、ハスラー、ジムニーなどが採用
リアブレーキにドラムブレーキを採用している車種は意外に多く、プリウス(先代20系)、アクア、シエンタ、ヴィッツ、ノート、マーチ、フィット、スイフト、デミオ、ハイエース、キャラバンなどが採用している。軽自動車ではN-BOX、デイズ/ek、ワゴンR、タント、スペーシア、ハスラー、ジムニーなどが採用

 リアがドラムブレーキの場合、ホイールを外してブレーキドラムも外し、ブレーキシューとドラム内側の摩耗具合を点検する必要がある。

 ディスクよりも若干スキルが高い作業なので、無理して行なうことはせず、車検時に整備業者に任せてしまうのも手だ。

 ドラムブレーキでは足元のブレーキペダルを踏んだ力はブレーキブースター(倍力装置)で力を増し、マスターシリンダーによって液圧(油圧)に変換。その圧力はブレーキオイル(ブレーキフルード)で満たされている配管を通って伝わり、4つの車輪に装着されたブレーキ内のピストンを押す力となる。ピストンは摩擦材であるブレーキライニングを車輪とともに回転するブレーキドラムの内側に押しつける。回転するドラムの内側にライニングが押しつけられることによって車輪の回転が止まり、クルマが減速、停止
ドラムブレーキでは足元のブレーキペダルを踏んだ力はブレーキブースター(倍力装置)で力を増し、マスターシリンダーによって液圧(油圧)に変換。その圧力はブレーキオイル(ブレーキフルード)で満たされている配管を通って伝わり、4つの車輪に装着されたブレーキ内のピストンを押す力となる。ピストンは摩擦材であるブレーキライニングを車輪とともに回転するブレーキドラムの内側に押しつける。回転するドラムの内側にライニングが押しつけられることによって車輪の回転が止まり、クルマが減速、停止

 すでにエンジンオイル交換やスパークプラグの交換といった作業をこなしているメンテ中級者であれば、ブレーキパッドの交換もできないことはない。

 キャリパーを固定している上下のボルトのうち片側を外すことで、キャリパーを反転させれば、ブレーキパッドにアクセスできる。

 ただし、パッドが磨り減ったことでキャリパーピストンが突き出ているから、新品の分厚いブレーキパッドを装着するには、専用のツールを使ってキャリパーピストンを押し戻す必要がある。

 対向ピストンキャリパーのブレーキは、キャリパー固定のボルトを緩めることなくキャリパーの外側から固定ピンを抜くだけで摩耗したパッドを抜き取ることができるが、やはり突き出したピストンを押し戻す作業は必要だ。

 ブレーキパッド交換のような本格的にクルマを整備するには、作業するための工具を揃える必要がある。

 今は自動車専用のツールを格安で揃えている工具専門店も全国にあるので、それらを利用することで以前よりリーズナブルにDIYメンテナンスの環境を整えることが可能だ。また頻繁に使うものではないから、仲間内でシェアしてもいい。

次ページは : ディスクローターやブレーキフルードもチェック!

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