イラスト/小倉隆典
あなたのお家にはもうマイナンバーのお知らせが届きましたか。なに、まだ届いていない。そういう人にも間もなくお知らせが届くはずですよ。
のっけから質問のような書き出しで始まりましたが、いまやここで取り上げるマイナンバーは国民的話題。テレビ報道などではマイナンバーに対して賛否両論渦巻いているようだけど、それってクルマを持つ我々のような人間にとってどんな影響を及ぼすのか。ここではそんな観点からマイナンバーを紹介してみたい。
まず、マイナンバーとは何かというお話しから。
これは国民一人一人に12桁の番号を振り分け、行政的に無駄を省こうというもの。もともと1968年の佐藤内閣時代に『国民総背番号制』の導入が検討されたのが始まり。しかしその計画は途中で頓挫した。
ところが、いまから2年前、第2次安倍政権になって『行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案』に基づき、『社会保障・税番号制度』、つまりマイナンバー制度の導入が決定された。
というのも、実は’07年に起きた『年金記録問題』で行政における管理体制のずさんさが大きな問題になった事件がマイナンバー誕生に起因している。
そりゃそうだろう。コツコツ支払ってきた年金が、こともあろうか「あなたの年金なんてしらないッスよ!」とうやむやになってしまったんだから国民が怒らないはずがない。
まぁ、こんなことが二度と起こらないようになんとかしなきゃいけないのでマイナンバー制度導入も当然のことかも。ちなみにマイナンバー制度とは、わかりやすくするための呼び名で、正式名は前記の『社会保障・税番号制度』という。
そしてこの制度に合わせて、金融分野でも個人のマイナンバーが利用できるように『番号利用法』の整備と、個人情報を扱うということで『個人情報保護法』が改訂された。
マイナンバー導入でかかる費用も膨大だ
ただし、問題もいろいろ存在している。そのひとつがコストの問題。国民一人一人に番号を振り分けるということでコンピュータシステムを構築しなければいけないのは当然だが、そのコストがこれまた膨大。
システムの開発に114億円、個人の番号を自動で生成するシステムに69億円などなど、トータルでかかる初期費用は2700億円。しかもそれを運用するために年間、200〜300億円かかるといわれている。
これは運営する側のマイナンバーシステムそのものにかかるコストだけど、運用が始まると日本中の企業なども従業員や取引先のマイナンバーを管理するためにコストの出費を免れない。
ベストカーを発行する弊社も、管理するための金庫を買わなくちゃいけない、担当者を勉強会に参加させなくちゃいけないといろいろ面倒なことになっている。
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