【古いクルマもOK! でも納期待ちも多し!】 「後付け」踏み間違い防止アイテム 3種をレポート!

■シンプル構造でほとんどの車種に取り付け可! ナンキ工業『STOPペダル』

●価格:9万9800円(税抜)/工賃:概ね2万~4万円(車種によって差あり)

「2010年頃から開発を進めてきました。誤発進による事故をゼロにしたい、それが目的です」と話すのはナンキ工業の南平治社長だ。

ナンキ工業の南平治社長(写真)が開発したのが『STOPペダル』。開発試作用見本を前に語ってくれた

 同社の「STOPペダル」はペダルを踏み間違え、アクセルペダルを強く踏み込んだ時にだけ、アクセルペダルがそのままブレーキペダルの役割を果たす構造。

 もちろん普段はいつもどおりにブレーキペダルとアクセルペダルは使える構造になっている。

 さらに機械式で構造は実にシンプル、取り付けも比較的短時間で簡単。南社長の説明用サンプルを使っての説明で作動などを聞くかぎりは作動について理解できるが、説明を聞いただけではまだ不安を払拭できなかった。

 まずはどんな踏み込み状況でブレーキがかかるのか? そして急ブレーキになった場合に後続車に対する影響はどうかなど、気になる点はあった。

 さっそく、サンプルの軽ワゴンに乗り込んで試乗である。まず、走り出しで踏み間違いを起こし、床までアクセルをガツンと踏み込む。これでアクセルペダルとブレーキペダルは一体となり、ブレーキを踏んでいる状況と同じになるため停車する。

実際にSTOPペダルが取り付けられたクルマに試乗。アクセルペダルを強く踏み込んだ時にだけ、ブレーキペダルの役割をも果たしているのだ

 その停車はもっとガツンと一瞬にして止まる急停車になるのかと思ったが、予想よりもソフトにスーッと自然に停車してくれる。

 だが、少し強めに加速したりするだけでいちいち停車していたのでは後続車に対してもリスクがある。が、その懸念はすぐに払拭された。

 ごくふつうにアクセルを操作したり、たとえ少しばかり強めの加速のためにアクセルを煽った程度では、作動しないのだ。だから普段はほとんど違和感なく運転できる。

 だが、一度ペダルを踏み間違った状況でガツンと床まで踏み込んでみる。通常のアクセルの踏みしろの奥に1回抵抗を感じた。そのポイントからさらに踏み込んだ時に作動してブレーキがかかるようになっている。

ハンドル右側横には「ON/OFF」の切り替えスイッチが付く。このスイッチを押すことで、STOPペダルの作動を自分で切り替えることが可能だ。今回の一般道での試乗時にはさほど必要性を感じることはなかったが、高速走行だと必要になるかもしれない

 要するにドライバーがアクセルをブレーキペダルと思い込んで、全力で踏み込んだような時にのみ作動するという感じだ。

 こうしたシステムであるため、もちろん車検にも対応している。これは実際に試してみないと理解できないかもしれない。

 また、このシステムにはワンタッチのキャンセルスイッチが装備されている。高速道路での合流など急加速が必要な場合、さらには坂道発進など強く踏み込む可能性のある場合は、念のためにキャンセルすることもできるのだ。

 だが、試乗してみて感覚的に、ごくふつうの運転での加速(もちろん合流などの強めの加速)でSTOPペダルが作動することはなかったため、このキャンセルボタンはあまり必要ではないかもしれないと感じた。

STOPペダルが装着されたエブリイワゴンを試乗してみた。一般道での試乗だと、アクセルペダルを強く踏み込んだ踏みしろのさらに奥にポイントがあり、そこからさらに踏み込むとシステムが作動する

 現在は問い合わせがやはり殺到していて数カ月のウェイティング状態である。価格は税抜き9万9800円。工賃は車種によって差はあるがおおむね2万~4万円。

ナンキ工業(TEL:048-223-6420)

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