■アクセルとブレーキをひとつにまとめたアイデアもの! ナルセ機材『ワンペダル』
●価格:18万3600円(税込・車両持ち込みの場合は取付工賃別)
「見張り番」も「STOPペダル」も、これまでの操作感を踏襲しながら踏み間違いによる誤発進などを制御する装置だったが、このナルセ機材の「ワンペダル」は、その名のとおり、ブレーキとアクセルペダルを改良によって一体化し、ひとつのペダル化したアイデア商品である。
大きなブレーキペダルと、その右側に横にスライドさせて操作できる棒状のアクセルペダルを取り付ける。
「普段は右足を横にずらしながらアクセル操作し、ブレーキングは通常どおり踏み込んで行う。つまり踏み込むのはブレーキの時だけであり、踏み間違いもなくなる訳です」とナルセ機材広報部、ワンペダルアドバイザーの荒田晃慎氏。これならば踏み間違い自体が起きないことになる。
アクセル操作のコツは「足先だけで操作するのではなく、膝を右に開く感じで操作するとよりスムーズに走れるでしょう」と荒田氏。
実際に試乗してみると確かに“踏み込んでブレーキ、横にずらしてアクセル”というこれまでと違う操作はギクシャクしていた。
だが10分程度走行しているうちに、その操作感に慣れ、ごくふつうにドライブができるようになっていた。また、取材日には宮崎県三股町の西村尚彦副町長も試乗に来られていた。
「最初は少し戸惑いましたが20分くらいで慣れました」と西村副町長。実際に自分のクルマに装備して、どんなものかを知ったうえで、町の高齢者たちなどにも装着を一考してもらいたいという。さらには「補助金なども検討する可能性もあります」とも。
また、このワンペダルを装備しているタクシードライバー、米津鶴彦氏は「この装置を装備して7年ほど。もう手放せません。本当に踏み間違いなど暴走による悲惨な事故を少しでも減らしたい一心で、乗客の皆さんにもパンフレットなどを渡して薦めています」という。
なんとこれはナルセ機材に依頼されたワケではなく、米津氏のボランティアだという。
試乗を終え、ひとつ懸念したところは常に足がブレーキペダルの上にあるようなものであるから、引き吊りのようなことにはならないかという点だ。
ところがワンペダルはその点の対策も講じてあり、通常の運転では起きない構造になっているという。「ローテクだからこそシンプルで、そして確実に作動する」と荒田晃慎氏。
こちらも現在、問い合わせや注文が殺到している。ペダル自体を交換してしまうため、価格は右足用で税込み18万3600円(車両持ち込みの場合は取り付け工賃別)と少し高価だ。
●ナルセ機材(TEL:0968-73-1511)
【番外コラム】 政府、「自動ブレーキ車限定免許」を検討へ
最近の高齢ドライバーによる暴走事故の頻発を受け、政府が関係閣僚会議のなかで交通安全の緊急対策をとりまとめ、最新の自動ブレーキを採用している安全運転サポート車の普及と免許返納者へのタクシー定額乗り放題などの対策を盛り込んだ。
これは今年4月に起きた東京・池袋での死傷事故を受けたものだが、自動ブレーキについては国内独自の基準を新たに設け、新車販売時の搭載を義務づけるとともにこういった先進安全装置が装着されたクルマに限定された免許制度の創設へ向けて動き出す。
具体的には実施に向けた課題などを検討し、今年度内に実施するかどうかを決定する見込みだという。
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