ついにおまえもか! [ポルシェ911]に歴代初のハイブリッド やっぱりガソリンに限る!? ポルシェファンはどう評価する?

■変わっていないようで変わっているエクステリアデザイン

5つの縦型エアフラップは開閉する
5つの縦型エアフラップは開閉する

 エクステリアデザインは、4灯のグラフィックを備えたマトリックスLEDヘッドライトにすべてのライト機能を統合したため、大型の冷却ベントを設けた。

 GTSモデルのフロントエンドには、5つの縦型アクティブエアフラップと、アンダーボディに取り付けられたアダプティブフロントディフューザーが装着され、必要に応じて空気の流れを制御するという。

カレラGTSのリア回り
カレラGTSのリア回り

 必要なパワーが最小限の場合、フラップを閉め、サーキット走行などスポーツ走行する場合には、フラップを開けて大量の空気をラジエターに送る。オプションとして、3万2000以上の光点を備えたHDマトリックスLED機能を装備する新しいヘッドライトが用意されている。

 GTSとカレラの写真を見比べてほしい。カレラはフロントエアインテーク左右のルーバーは水平ルーバーで、GTSはエアフラップが開いた写真と閉じた写真があるので見比べてほしい。

カレラはGTSとは違い水平基調のエアベント
カレラはGTSとは違い水平基調のエアベント

 リア回りでは「PORSCHE」ロゴを統合したライトストリップのデザインは、911のリアエンドをより深く、よりワイドに見せている。再設計された各サイド5枚のフィンを備えたリアグリルは、リアウインドウに接続し、下の格納式スポイラーに溶け込むグラフィックユニットを形成している。

 また、ナンバープレートの位置を高めに設定し、すっきりとした構造のリアバンパーを採用。専用のエグゾーストシステムは、目立つディフューザーフィンにエレガントに組み込まれている。

 911カレラには、オプションでスポーツエグゾーストシステムが用意され、911カレラGTSには、GTS専用のスポーツエキゾーストシステムを標準装備。

911カレラのリア回り
911カレラのリア回り

■フルデジタルメーターとプッシュスタートは911初装備

フルデジタルのメーターとプッシュ式エンジンスターターを装備したコクピット
フルデジタルのメーターとプッシュ式エンジンスターターを装備したコクピット

 クーペモデルでは、インテリアを2シーターとして標準設計(追加料金なしで2+2シートも選べる)され、今回初めて、フルデジタルのメーターパネルが装備された。12.6インチの曲面ディスプレイや、レブカウンターを中央に配した伝統的なポルシェの5連メーターにインスパイアされた独自のクラシックディスプレイを含む、最大7種類の表示が可能となっている。また911として初となるスターターボタンがステアリング左側に装着された。

 新しいコネクティビティ機能も装備されており、Apple CarPlayは必要に応じてメーターパネル内に情報を表示し、さまざまな車両機能を直接操作することができる。また今回初めて、駐車中のビデオストリーミングもオプションで利用できるようになった。

 マイナーチェンジ後の911GTS、911カレラは5月29日より予約受注を開始し、価格は911カレラが1694万円、911カレラカブリオレが1943万円、911カレラGTSが2254万円、911カレラGTSカブリオレが2503万円、911カレラ4 GTSが2365万円、911タルガ4 GTSが2615万円、911カレラ4 GTSカブリオレが2614万円。

■今後の展開はどうなる? EV化はいつ?

ボディサイドにはt-hybridのエンブレムが
ボディサイドにはt-hybridのエンブレムが

 今回耐久レースなどで培った技術、ウエストゲートのないボルグワーナー製電動ターボチャージャーを採用したわけだが、このボルグワーナーの電動ターボは2019年に発表されたeターボの流れを汲むものだ。ボルグワーナーといえば、もとはといえばKKKで930ターボのターボチャージャーもKKK製だ。

 最近では、997型ポルシェ911ターボで初めて採用され、それ以降の911ターボおよびGT2系のターボモデルに搭載されている、ガソリンエンジン用VTG(可変タービンジオメトリー)を思い出す。

 さて、ハイブリッドを搭載したことで、911らしさは失われるのか? おそらく答えはNOだ。997時代の直噴化、2015年9月に全車ターボ化(GT3、GT3RSを除く)された時も、がっかりしなかったからだ。

 特に3.4Lのカレラ/カレラ4(350ps→370ps)、3.8LのカレラS/4S(400ps→420ps)が2015年8月にマイナーチェンジし、いわゆる991.2型となった時も、3Lツインターボ化による、ターボ感は、ターボ付きであることを忘れさせるほどで、アクセルペダルに対する反応はリニアで、サウンドも回転フィールも自然だった。

 水冷エンジン搭載以降では、991型のMT、つまりNAの3.4L水平対向6気筒、7速MTが911らしさがあるように思う。空冷993をコットンのTシャツと例えるなら、991のMTは鹿の子ポロといった感じで、992に感じられる革ジャンを羽織っているようなガッチリ感はかろうじて感じない。そんななかにあって、車重が1480㎏という現行992型のカレラTに試乗した時も、911らしさを感じたものだ。

 昨今の電動化時代に対応するポルシェの答えは、現行992型の後期モデルで、GTSモデルにハイブリッドを与え、カレラシリーズには新開発の3Lターボで環境性能に対応。

 何度も言うが、やはりハイブリッド化しても軽さにこだわるのはさすがだ。先代GTSよりも50kg増(1595㎏)に抑えたのは嬉しい。

 今回のハイブリッドのGTSは、3Lツインターボのハイブリッドは、システム最大出力541ps/610Nmと、61psも向上し、0→100km/hは3.0秒と、マイナーチェンジ前のGTSよりも0.4秒速く、現行GT3RSよりも0.2秒も速いのだからおそれいる。

 おそらく今後、カレラS/カレラ4S、タルガ/タルガ4、カブリオレのほか、ターボ、NAのGT3/GT3RSの改良版が登場してくるだろう。GT3は現在、510psを発生する4L水平対向6気筒のNA、GT3RSは525psだが、新型GT3はNAを維持しつつ、ハイブリッドを装着してくるのか見もの。

 GT2、GT2RSに関してはおそらく今回のツインターボ+ハイブリッドになるのは確実。700psを超えてくるのは間違いないところだろう。

 992型は2018年のデビューだから、次のニューモデルは、おそらく登場8年後の2026年。そしてあまり来てほしくないBEV化は、一部を残してその2026年に登場することになるだろう。

【画像ギャラリー】ついにハイブリッド搭載された911GTSと3Lターボのカレラの写真をチェック(19枚)画像ギャラリー

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