■18歳以下でも「運転」を知れば事故は減る
2019年9月14日(土)、ロングウッドステーション(千葉県長柄町)にて、アンダー18歳向けおよびオーバー60歳向けの運転講習会「U-18運転予備校、O-60運転予備校」 が、くるまマイスター検定協会主催のもと、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ) 協力にて開催された。
会場にはトヨタ新型スープラ、ホンダNSX、日産フェアレディZ、マツダロードスター、スバルBRZなどのスポーツカーがずらり用意され、まずは一般公募された18歳以下の(もちろんまだ運転免許取得前の)若者たちがクローズドコースで講習開始。
AJAJ所属のジャーナリストたちの指導のもと、安全運転とはどのようなものか、クルマを動かすとはどういう作業なのかを学んだ。
講習内容は、まず座学でシートポジションやシートベルトの重要性、操作手順を学んだあと、実車講習。グッとブレーキを踏み込んだ状態でギアを「ドライブ」へ入れ、ブレーキを少しずつゆるめることでじりじりと前進する「アリさんブレーキ」体験や、時速30km程度でのオーバルコース走行など。
「いま、日本で運転免許を持っている人は約8000万人おりますが、歩行者の交通事故死者の約半分は免許を持たない人です。つまり、多くの交通事故被害者はクルマがどう動くのか、ドライバーは何を考えているかが分かっていない。それが分かっていれば、少しだけ事故を避けられる可能性が上がるんです。クルマの知識を持つことは、事故に遭わないためにも大切なんですね。」(AJAJ会長 菰田潔氏)
開始当初はやや退屈気味だった若者たち(中高生)だったが、菰田会長の柔らかなトークと、実際に自分の手でクルマを動かせる体験に、大いに学ぶところがあったようで、帰るころには親御さんに「早く免許がとりたい」と話すシーンが見受けられた。
■高齢者が免許をとった頃と今では事情が違う!!
続いて開催されたのは、オーバー60歳向けの運転講習会。こちらもまずは座学から。
「皆さんが免許をとるために教習所へ通っていた頃は、【ハンドルは10時10分の位置を握る】と教わったと思うんです。しかし今ではそうは教えていません。エアバッグが全車標準装備だからです。10時10分の位置で持っていると、エアバッグが開いた場合、手をケガします。現代のクルマを運転する場合、ハンドルは水平の位置を持ちましょう。2時45分の位置です。」(菰田氏)
「これはあくまで一例にすぎません。もうひとつ例を出せば、シートリフターについて、教わっていない方が多いのではないでしょうか。以前はそういう装置は一部の高級車にしか付いていませんでした。けれど今は多くのクルマについています。シートに座ったら、シートポジションを合わせるのに、シートスライド、ヘッドレスト位置、そしてシートリフターを調整して高さを合わせましょう。どう合わせるかというと、最も視界が開けるポジションに合わせるんです。」(菰田氏)
座学を終えると、こちらもクローズドコースで実車講習。オーバー60の場合は「自分のクルマ」でフルブレーキのテストが出来たり、またスズキスペーシアギア、ダイハツ新型タント、三菱eKワゴンなど最新の軽自動車を使って、バックモニターや最新の運転支援装置の体験なども実施。
高齢者のペダル踏み間違え事故などが増加しているなか、こうした講習はますます意義深いものになっていくはず。
次回の開催はまだ決まっていないそうだが、参加すれば間違いなく事故を起こす可能性は減ると確信した。高齢ドライバーは皆さん「自分だけは運転に自信があるから事故は起こさない」と思っているものだが、そこは「自信があるからこそ行くべきだ」と周囲が説得すべく、ぜひとも身近な高齢者に声をかけていただきたい。
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