自転車のチャイルドシート、シートベルトは危険ではないのか?

自転車のチャイルドシート、シートベルトは危険ではないのか?

あなたの「ギモン」にベストカー編集部がお答えいたします!

【質問カルテ】

 最近、自転車の子供用シートはフルバケットシートみたいになっているうえ、5点式シートベルトも付いています。バイクなどは万が一の場合、「離れる」から安全なわけで、自転車が転倒した際に転がり落ちないのは危険ではないのでしょうか? シートベルトがある場合とない場合だと、どちらが安全なのでしょうか?                        東京都 鉄分補給さん

【回答/担当・林】

 自転車用幼児座席は、幼児を幼稚園や保育園へ送り迎えする際には、非常に便利なものです。

 しかし、幼児は想像より重く、自転車の高い位置に着座させると、バランスを保ちにくくなり、走行時や駐輪時に誤って転倒する事故が多くなっています。

 そうした際に、バイクのように投げ出されたほうが安全ではないのか? というご質問ですが、これは非常に難しい問題となっています。

 ’06年11月に、財団法人 日本交通管理技術協会が、『自転車に同乗する幼児の安全対策及び乗員定員に関する調査研究報告書』というものをまとめているのですが、

 その調査結果のなかに、シートベルトを着けた場合と、着けなかった場合の実験結果が載っており、着けた場合のほうが、転倒衝撃が分散せず頭部へのダメージが大きくなるという結果だったのです。投げ出された場合は、脚部、腰部、腕部など広範囲に衝撃が分散することで、頭部への衝撃が軽減されていたのです。

 この結果だけみれば、投げ出されて衝撃が分散するから、シートベルトを着けないほうがいいのでは? となりますが、一概にそうとはいえないのが実状です。

 過去には、シートベルトを装着していなかった幼児が、転倒時に車道に投げ出され、トラックにはねられ死亡する事故が発生しています。

 またシートベルトを着けないと、奔放な幼児が自由に動けてしまい、自転車のバランスが崩れて転倒したり、幼児が運転中に転落、または足などを車輪に巻き込まれる危険性も高まるのです。

 では、自転車用幼児座席の安全規格(SG規格)を定めている財団法人 製品安全協会は、このシートベルトの必要性についてどのように考えているか質問してみました。

 「協会として、定量的に幼児座席のシートベルトを使用した際の事故の受傷率、重傷度などをまとめたデータはありません。定説的に5〜6歳になると、自転車が転倒する際に、自らかばう動作をするようになるので、その動作を阻害するシートベルトは必要ないのでは? という議論があるのも確かです。

 しかし、それよりも低い年齢では、かばう動作をする確率が低いため、安易に放り出されることのほうが危険であると考えており、協会や警察では原則シートベルトを着けるように指導しています」

 現在の判断としては、転倒時に縁石や突起物から頭部を守るハイバック形(側頭部まで保護装置を有するシート)で、ヘルメット(最も重要!)とシートベルトを装着することが、最良であると考えられています。

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