2019年の年末に生産終了がアナウンスされ、4月24日にファイナルエディションが発売されたトヨタマークX。1968年に登場したコロナ・マークIIから続く12世代、51年の歴史に幕を下ろす。
1984年に登場した70系モデルではハイソカーブームを作り、最も売れた1987年3月には単月で2万5514台を販売するなど売れに売れた。
1992年に登場した90系や1996年に登場した100系に設定されたツアラー系は現在でもドリフト車と活躍している。
そこで、今回は数少ないFRセダンだった現行型マークXの中古車事情に迫ってみる。
文:萩原文博/写真:TOYOTA、ベストカー編集部
2度のマイチェンでフロントマスクは3種類
マークIIから通算11代目、マークXとしては2代目となる最終型は2009年に登場し間もなく10年を迎えるロングセラーモデルだ。「ゼロクラウン」と呼ばれて、すべてが一新された12代目クラウンと共通のプラットフォームを使用したFR(後輪駆動)セダンとなっている。
最終型となる現行マークXは2009年に販売開始してから、マイナーチェンジや一部改良を重ねていて、なかでも2012年8月、2016年11月に内外装の大幅な変更を行い、一世代で異なる3種類のフロントマスクを採用している。
搭載されているエンジンは最高出力318psを発生する3.5LV型6気筒と最高出力203psを発生する2.5LV型6気筒の2種類。トランスミッションは全車6速ATを採用し、駆動方式はFRを中心に2.5Lに4WDを設定している。
グレード構成はデビュー当初は3.5L車のみに設定されていたプレミアム、Sと呼ばれるスポーティグレードそしてGというスタンダードの3種類だった。2度目のマイナーチェンジでプレミアムがなくなり、最上級グレードとしてRDSが設定されている。
カタログモデルも豊富だが、カスタマイズモデルも「ヴェルティガ」やスーパーチャージャーを装着しパワーアップした+Mスーパーチャージャー、そして2015年3月には3.5Lエンジンに6速MTを組み合わせたGRMNを設定するなどFRスポーツセダンという個性を主張している。
すでに中古相場は上昇傾向
それでは、最終型マークX中古車の現状を見てみよう。
生産終了がアナウンスされると、中古車相場が上昇するケースがある。それは駆動方式が変わる時やターボエンジンが無くなるときといったスポーティモデルで起きやすい。
かつてカローラレビン/スプリンタートレノの駆動方式がFRからFFへと変わった時やS15型シルビアが生産終了となった時などと言えば、納得してもらえるだろう。
そして、今回の本題である最終型マークXの中古車相場だが、流通台数は現在約990台流通している。3カ月前が約1010台だったので、ほぼ横這いといえる状況だ。
中古車の平均走行距離も約4.5万kmをキープしていたのだが、9月中旬から減少し、約4.3万kmとなっている。
そして平均価格の推移だが、3カ月前は約132万円だったが、今月は約136万円と4万円上昇しており、早くも値上がり傾向は始まっている。
この値上がりは平均価格の値上がりと平均走行距離の減少のタイミングがきっちりリンクしているので、走行距離の多い価格の安い中古車が市場から姿を消しているということが見えてくる。
まだ販売中にも関わらず値上がりが始まっているので、今後はさらなる価格上昇の可能性は相当高いと言える。
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