トヨタテクノクラフトの“すごい”仕事!! 救急車まで手がける!?

 『トヨタテクノクラフト』。その名を聞けば間違いなくトヨタの関連会社なんだろうなぁ、というイメージがつくだろう。

 でも、いったい何をしている会社なのか? 

 実はテクノクラフトは、トヨタのモータースポーツ関連から、パトカーや救急車などの特装車まで幅広く取り扱っており、私たちの日常生活にも深く関わっている会社なのだ。そんなテクノクラフトの“すごい”仕事を紹介する。

 文:ベストカー編集部
ベストカープラス2016年7月26日号


「TRD」はトヨタテクノクラフトのブランド

横浜市港北区にある本社ビル。敷地内には、同社がでがける救急車などの姿も見える

 トヨタテクノクラフトの起源は古く、1954年に『トヨペット整備株式会社』として東京都港区芝浦で創業する。おもにトヨペットで下取り販売する中古車の再生事業を手がけていた。

 そして1961年に現在の横浜本社がある港北区綱島に移設。1964年に『トヨペットサービスセンター』に社名を変更し、1990年に現在社名『トヨタテクノクラフト』となっている。

 「テクノクラフト?」とピンと来ていない人もいるかもしれないが、「TRD」のブランド名ならご存じの人も多いことだろう。そう、「TRD=トヨタ・レーシング・ディベロップメント」はテクノクラフトの一部門で、トヨタのモータースポーツの総本山である。

 レーシングマシンの開発、製造、パーツ開発などを担当するだけではなく、モータースポーツ技術からフィードバックされた市販車用パーツ、さらにはコンプリートカーの開発、製造なども行っている。

 2008年に販売された「カローラアクシオGT・TRDターボ」、2014年に100台限定で販売されたトヨタ86ベースの「14R60」などもテクノクラフトの仕事だ。

横浜本社の敷地内には、往年のレーシングマシンが動態保存されている。このレストアやメンテナンスもテクノクラフトの技術があればこそ可能となった。貴重なMR2ベースのグループSマシン、Cカー、WRCセリカなどとともにトヨタ7も動く状態で保管されていた。これらのメンテにより若手に技術が伝承されているのだ

救急車も作るし、旧車のレストアもお手のもの

 テクノクラフトの重要な仕事はほかにもある。トヨタ車の特装車開発、製造がそれだ。

 ハイエースをベースとした高規格救急車ハイメディック、ランクルをベースに作られる高速道路会社向けのパトロールカーなどもテクノクラフトが担当である。

 歴史的価値のある旧車のレストアや、大幅な修復が必要なクルマの修理などもお手のもの。トヨダAAのレストアや、2000GTスピードトライアル車のレストア、メンテなども担当する。

 実は、2016年1月に100台限定で受注販売された「86GRMN」もトヨタテクノクラフトの仕事だ。熟練工が1機1機丁寧に作っている。

 富士重工大泉工場から完成機として搬入されたFA20型エンジンを専用作業エリアで丁寧に分解→洗浄するところから作業は始まる。機械でガンガン作業するのかと思ったのだが、実際に見学すると完全手作業。

 分解は完全にバラバラにするのではなく、例えばヘッド回りなどGRMN仕様では手を入れない部分などはそのまま残置するため、手作業のほうが効率がいいとのこと。

 必要な部分を徹底的にバラして洗浄するいっぽう、残す部分はそのまま残すことで品質の維持とコスト低減をはかっているというわけだ。

 とはいえ腰下はほぼゼンバラ。分解→洗浄にほぼ1日かかり、翌日は組み立て工程となるのだが、これまたため息が出るほどの手作業。

 ピストンリングの組み付け、ピストンのシリンダーへの組み込みなど、レーシングエンジンを組む熟練工の「手勘」で組むことにより、機械作業とは比較にならない精度を実現する。

 ちなみに組み上げに要する時間も1日。さらに全機ベンチテストにかけて異常がないことを確認して出荷となるため、1機仕上げるのに3日要し、生産は1日あたり2機のペースだという。

 作業エリアで印象的だったのは、とにかく作業台もフロアもキレイでオイル汚れなどまったくなかったということ。

まずは分解、洗浄工程。腰下はほぼゼンバラにするいっぽう、バルブなどのヘッド回りは完成状態のままあえてバラさない
左がノーマルピストンで右がGRMN用に加工された状態。表面、裏面ともにショットピーニング加工され、また軽量化のための肉抜き、フリクション低減加工などが施されている
組み上がったら全機ベンチテストを実施。アイドリングで5分、2000rpmで30分程度回して信頼性を確認する

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