圧倒的な4WD性能を誇る三菱デリカD:5とパジェロ。そんな2台の本格SUVを使用したアウトドアツアーが2月18日(土)〜2月19日(日)に開催された。
南国生まれのベストカー特派員も現地で本格的な雪に悪戦苦闘!? しかし三菱の圧倒的4WDで雪道もなんのその。頼もしい相棒を見つけた特派員の現地レポートをお届けしよう。
文/写真:池之平昌信
登山の醍醐味を知るスノートレッキング
2月18日の朝。風もなくいい天気だが、さすがにここは軽井沢の山中。吐く息は白く、銀世界につつまれたキャンプ場は「めちゃくちゃ寒い」。
キャンプって夏やるものじゃないの? 南国生まれの私は冬にやってるとこもあるなんて知りませんでした。
そんな甘ったれたことを考えていると「集合!」の声がかかる。手渡されたのは、お菓子とエナジーチャージ系のゼリー、マグカップの3点。
「はい、山の中には自販機もトイレもありませんからねー。これがランチだと思ってください。受け取ったらバスに乗って下さーい」
15分ほどで「小浅間山・登山口」に到着。「熊に注意」や「登山者のリスク」「入山届け」といった表示などがある。「ハイキングみたいなもの」って聞いてたんだけど、どうやらこれはマジな登山の様相を呈してきたぞ。
でも小学生みたいな子もいるし、大丈夫だ! と自分に言い聞かせ、レンタルのスノーシューを履く。
「ストックを使って歩いたほうが楽ですよ」とガイドさんは教えてくれたが、撮影がやりにくいとのカメラマン根性で、ストックなしの歩行登山を敢行。
初体験のスノーシューだったが、サクサクザクザクと歩けて気持ちいい。金属製の歯がついているし、面で雪をとらえてくれるので慣れればとても歩きやすい。ちょいとガニ股で歩くのがコツだそう。
総勢50名ほどの団体が隊列を組んで、グングン登っていく。映画『南極物語』をどこかに思い浮かべる。
しかしすぐに体はポカポカ。防寒具を着込みすぎていたことを後悔するが、汗が気持ちいい。5分ほどの休憩を2、3回はさんで、1時間ほど歩いただろうか。
ひとりの落伍者も無く全員で「小浅間山」(1655m)登頂に成功! 浅間山など壮観で素晴らしい景色に圧倒される。なんだこの高揚感。
「そこに山があるから」と言ってみたい気分。頂上は広場のようになっているが、さすがに風が冷たくて現実に戻される。


■下山で知る4WDのありがたさ
参加者全員で記念写真を撮ったりして、しばし歓談。
さあ、下山開始だ。風の少ない場所まで降りたら、温かいココアをいただいた。このためのコップだったのね。いっしょにチョコレートも食べる。冷え切った身体に染みわたる。スノーシューツアー、最高かも。
甘いものを食べて元気復活。そり遊びなどもして楽しんで、、、再出発。さらに下山。
しかし20分ほど歩くと両足フトモモ前部に異変が……。今にも攣(つ)りそうな気配だ。最後尾のガイドさんに異常を伝えると、「これどーぞ。楽になるはずですよ」と予備のストック2本を貸してくれた。
カメラは首から下げて、撮影より歩くことに全力で集中。
すると歩くリズムも良くなり全然楽チンなってきた! 「こんなに違うんですね」と伝えると「4本足で歩くみたいなもんですからねー」だというではないか!
確かに先ほど目撃していたのだ、頂上付近の険しい岩場でも平然と歩き回るカモシカの姿を! なるほど、そういうことだったのか。
というわけで、ひとりの落伍者もなく無事、下山も終了した。拠点となったオートキャンプ場の”outsideBASE”に帰ると、温かいスープやラムチョップステーキなどがふるまわられた。
大人も子供もいい笑顔で「カンパーイ」。登山後のこの連帯感、サイコーだぜ!



三菱4WDの実力を実体験する
2月19日(2日目)。今日は安心してもいいらしい。「クルマの学校」という自動車雪上走行イベントだけのはずなのだから。参加者のみなさんもキャンプ場内に作られた特設コースを4WD体験走行。
用意されたのはパジェロとデリカD:5のディーゼル。もちろんスタッドレスタイヤ(ヨコハマ・アイスガード)が装着されている。
けっこうデコボコの路面でもなんなく突き進む両車。そりゃそうだ。「富士ヶ嶺オフロード」などといった、本格的4WDコースでも走破してしまう三菱の4WDたちにしてみれば楽勝のコース設定。
しかし、参加者の皆さんにとっては起伏もそれほどなくて怖くもなく、速度もちょうどよかったのだろう。ニコニコしながら走行を楽しんでいる。ハラハラドキドキしないでスポーツ4WD走行を楽しめるのはすばらしい。
楽しんだ後は、お勉強の時間。三菱自動車「クルマの学校」熊沢校長先生と竹岡圭先生から、雪道の走り方、装備などありがたいお話を受講する。ダカールラリーなどで培ったオフロード走破技術がどのように三菱車へフィードバックされているのか。
クルマのアゴやおなかをこするオフロードとはどういう場面か。雪道などでの失敗例。厳寒地での自動車便利装備品の紹介。等々、とてもためになるお話である。


緊急時の対応も学ぶ
その後は実際の車両を使ってスタックしたクルマを牽引ロープで救助するようなシーンを実演したり、必ずクルマに装備されている「発炎筒」の実地体験が行われた。
こういった体験を一度しているのとそうでないのでは、いざというときに大きな違いがあることは容易に想像できる。
そんなこんなですべてのプログラムは無事終了。雪山登山での4本足歩行、4WD雪上走行、タメになる講義……。
参加者の方々はもちろん、同行取材をした自分たちも「ひとまわり大きな男」に成長することができたはず。三菱のキャッチフレーズである”Drive @ earth”を実感した2日間となった。

