近年、国産車よりも輸入車のほうが、人気も評価も高い支持を得るようになっている。
日本車には日本車の強みや魅力があるはずだが、輸入車と比べたとき、いまひとつ勢いが足りない。なぜなのか?
日本車の課題と強みを見つめ直してみた。
文:国沢光宏
写真:藤井元輔、池之平昌信
初出:ベストカー2016年7月26日号
クルマは見た目が8割!?
日本車が輸入車に劣っているところは、デザイン&乗り心地の安っぽさだと考える。なかでも「う~ん!」なのがデザインのセンス。トヨタやレクサスを見るとアウディに憧れたのだろう。巨大なグリルを採用している。
いっぽうで、アウディは新型A4などでは品のない巨大グリルをやめようとしているのだが。ホンダの場合、アメリカンデザインが最高だと考えているらしく、ヨーロッパで売るシビックまでアメリカ顔にしてしまった。
これでは、売れるわけがない。
燃料電池車クラリティを見るとこの傾向がハッキリわかる。なんせフロントはアコード。リアから見たらシビックだ。ステップワゴンが不振の原因も小さく見えちゃうデザイン。
さらにリーフのカッコ悪さときたら腰砕けになっちゃうほど。参考までに書いておくと、ドイツ車だってカッコ悪ければ売れない。
BMWのi3は、世界中からダメ出しされており、販売状況も世界的に厳しい。クルマの魅力の多くはデザインなのだ。
次に日本車の弱点は乗り心地。コスパ重視のダンパーを使うため、大きく評価を下げてしまう。ここにきて日本車メーカーでも良質なダンパー使おうという動きなど出ているが、本格的ではない。
欧州で生産されている欧州製ダンパーを使う日本車に乗ると「どうしちゃったの?」と思うくらい上質だったりする。その落差は大きい。
三つ目に日本車が輸入車と比べて残念なのは、ディーゼルエンジンの少なさ。早い段階で開発を諦めてしまったメーカーが多い。少なくとも直近の5年は大きなハンデになると思う。
では、日本車のよさはというと……、優れた信頼性&耐久性のほか、最先端のECO技術を持っていることだろう。燃料電池車を市販している国など他にないし、いまだにリーフを越えるコスパを備える電気自動車だって存在していない。
アウトランダーPHEVの価格なんか海外メーカーじゃ絶対実現できまい。軽自動車の燃費と価格も世界TOPレベルだ。あと意外かもしれないが、高性能自動ブレーキ付きのスポーツモデルはWRX S4が世界で唯一の存在なのだ。
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