自動運転は「完全自動運転」ではない!? 広まる自動運転への誤解と懸念

自動運転で事故が起きたらメーカーの責任?

 レベル3自動運転車が一般道をバンバン走りはじめたら、こういう事故の責任は基本的にシステム側が負うことになるわけですが、あなたが自動車メーカーの経営者だったら、どう思います?

 もちろん、自社の商品に自動運転という付加価値が備わるのは、ビジネス的にはたいへん魅力的。遠い将来を考えれば絶対必要になる技術だし、研究開発は文句なくゴーサインです。

 しかし、量産車となった場合、メリットと引き換えに事故の責任を負担しなければならないうえ、万一システムに欠陥があったりした場合は、予想もつかない賠償責任が生じたりする可能性すらある。

「安全」は最も大切な理念。ハードルを越え、夢ある技術の実現に期待したいものだ(写真はイメージ)
「安全」は最も大切な理念。ハードルを越え、夢ある技術の実現に期待したいものだ(写真はイメージ)

 最近の例でいえば、タカタのような堅実な優良企業がエアバッグの欠陥で瀕死の状態となったし、東芝のような超大企業ですら原子力事業のような間違った投資先を選んだため会社存続の危機に陥っている。コワイデスネー。

 技術開発にはしっかり投資するにしても、実用化にはものすごく慎重にならざるを得ないと思うんですがいかがでしょう。

 こういうリスキーな新技術は、歴史のある巨大自動車メーカーが、ベンチャー企業と競うのは無理。テスラやグーグルを先兵として、後から付いて行くくらいでいいんじゃないかと思うんですけどいかがでしょうか。

 テスラモデルS
テスラモデルS

 オートパイロットを搭載するテスラモデルS。テスラは完全自動運転の実用化時期について「国、地域それぞれの規制・認可に大きく左右されます」としている。

 この先、人々の生活を豊かにする自動運転の実用化に向けて、まずは現状を理解し、議論していく必要がありそうだ

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