【日産決算発表】「劇的に変化した」当期純損失5300億円でも「峠は越えた」と言える日産の希望と反転攻勢

 グローバルの小売販売台数は315万台から330万台(前年比+4.7%)への拡大を見込む。地域別では中国+8.7%、日本+7.9%、北米+2.2%、欧州+7.2%、その他+1.8%と全地域でプラスを予想している。だ、大丈夫か??

 日本市場については、前年度実績の39.9万台から43万台へ、約3万台・7.9%の増加を見込む。この成長を牽引する柱として期待されるのが、今年度中に発売予定の新型キックスと新型エルグランドだろう。

 現行キックスは2020年の発売からすでに5年以上が経過しており、コンパクトSUVセグメントで熾烈な競争が続くなか、フルモデルチェンジへの期待は高い。e-POWERを搭載し、燃費性能と走りの楽しさ、手ごろな価格感を両立させた後継モデルが登場すれば、日本市場での巻き返しに大きく貢献しそうだ。

 また、エルグランドは2010年以来15年以上モデルチェンジがなく、長年の沈黙を破る待望の新型が満を持して登場する。アルファードやヴェルファイアに市場を奪われた高級ミニバンセグメントで、新型エルグランドがどこまで巻き返せるかは日産の日本市場戦略の試金石となる。決算説明資料に掲載された新型エルグランドのイメージは、日産デザインの現代的な解釈を体現しており、期待値は高い。

 日産の2025年度決算は、「失われた数年」からの脱出がようやく本物になりつつあることを示す一枚の地図だ。2,860億円もの関税圧力、なにより「BEVに全振りしたツケ」の支払いに晒されながら、なんとか営業黒字を維持し、下半期にはFCFをプラスに転じ、「Re:Nissan」のコスト削減は計画を上回るペースで進んでいる。

 もちろん課題は山積している。日本での販売は年間39.9万台と厳しい水準にあり、当期純損失は依然として5,331億円と巨額だ。関税リスクは2026年度も収束の見通しが立っておらず、2026年度予想の「関税影響を除く」という但し書きが示すように、外部環境への依存度はまだ高い。

 それでも、エスピノーサCEOが「日産は劇的に変化した」と胸を張る言葉の重みは、数字が少しずつ証明しはじめている。強力な新型車を武器に、日産が日本で存在感を取り戻せるかどうか。2026年度は、再建フェーズから成長フェーズへの橋渡しとなる、真の正念場だ。

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