激動の中東情勢に「自動車は当面大丈夫、政府に感謝」 代替調達と備蓄放出により自工会コメント

ホルムズ海峡不安定化の影響は「入れる船」にも

 また、今回の中東情勢を受けての日本自動車産業への影響に関して、全般的には「直ちに大きな問題はない」という評価の一方で、より具体的な懸念点として明かされたのが「中東向け輸出車両の減産」だ。

「ホルムズ海峡の不安定化によって、一部メーカーで中東向けの車両生産が減産となっている。これは我々としても大きな課題と思っています」と三部副会長は述べる。

 中東は日本の自動車メーカーにとって重要な輸出市場のひとつ。ホルムズ海峡付近での紛争が原因で、自動車運搬船が中東へ完成車を陸揚げできず、現在中継地(シンガポールやスリランカ)に滞留している、という状況がある。つまり、ホルムズ海峡から出てゆく船も問題だが、入れない船にも問題があるということ。

 特に日産・トヨタ・三菱などは中東地域での販売シェアが高く、生産・出荷計画への影響は無視できない。情勢の長期化が続けば、国内工場の稼働率にも影響が及ぶ可能性がある。

 現在、中東向けの輸出車は、現地在庫が数カ月分あり、そのうえで各メーカーがそれぞれ仕向け地の変更や代替ルートを模索するなどの対応をしているとのこと。こちらもすぐに深刻化する状況ではないが、なにしろ数万台規模の輸出車の流通が滞っているわけで、長期化すれば大きな損失となる可能性がある。

 また、「中東との直接的な関連を切り分けることは難しいが、原材料の高騰という課題も現在ある」との言及も佐藤会長からあった。鋼材や非鉄金属など車両製造に使われる素材の調達コスト上昇は、各メーカーの収益を圧迫しかねない問題だ。

 今回の会見を通じて改めて浮き彫りになったのは、「エネルギー安全保障」が自動車産業にとっていかに根幹的な課題であるかという事実だ。JAMAが今年度から取り組む「新7つの課題」の筆頭テーマとして「重要資源・部品の安全保障」を掲げているのも、こうした現実認識の表れといえる。

 一部繰り返しになるが、「近々は、全量は足りている」、「誰かが(不安感から)買いだめを始めたら目詰まりが起こる」、「将来に向けて、抜本的な対応を自工会を挙げて進めている」という事実を、クルマ好きもおさえておきたい。

【画像ギャラリー】激動の中東情勢に「自動車は当面大丈夫、政府に感謝」 代替調達と備蓄放出により自工会コメント(1枚)画像ギャラリー

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

待望のGRヤリス、次期型判明!!『ベストカー 6月10日号発売!』

待望のGRヤリス、次期型判明!!『ベストカー 6月10日号発売!』

ベストカー 6.10号 定価 590円 (税込み)  長かったゴールデンウィークもついに幕を下ろし、…