運転1時間のうち22分は赤信号で停止??? 日本の切ない信号事情とストレス

 日産が作製して公式ウェブサイトで公開しているオリジナルムービー「信号大国ニッポン」が、大変示唆深く、見てるとなんだか切なくなると話題になっている。

 さっそく映像を紹介しつつ、信号とストップ&ゴーについて考えてみたい。

文:ベストカーWeb編集部


■日本全国の信号機の数は20万7738機

 日本は道路交通網が発達しており、人口密度の比率に対して自家用車の保有率も高い。

 そういう事情もあってか、いわゆる「信号密度」は世界最高クラスと言われている。

 今回日産が公開したオリジナルムービーは、そんな日本の信号事情を調査しつつ、独自映像でわかりやすく紹介している。

【信号大国ニッポン】

 映像にあった主なレポートは以下。

日本全国の信号機総数は207.738機(警察庁「都道府県別交通信号機ストック数」平成27年度末時点/歩行者用灯器含む)

1平方kmあたりで比較すると、密度は世界最高ランク(イギリスの5倍、アメリカの16倍/それぞれ道路総延長で割り出して比較)

信号機が多い都道府県は、東京、愛知、北海道(警察庁「都道府県別交通信号機ストック数」平成27年度末時点/映像本編では9位の兵庫まで掲載)

都市部でクルマが進む速度は「ランニング並み」(国土交通省「道路交通センサス」によると、都市部一般道の車両平均時速は約15〜17km)

実際に東京を走行すると「1時間のうち22分は赤信号で停止」(独自調査)

大都市圏が中心だが、神奈川(人口は2位)が信号機数7位だったのは意外。<br>ただし多ければ多いで、少なければ少ないで問題があるのが信号機の難しいところ  
大都市圏が中心だが、神奈川(人口は2位)が信号機数7位だったのは意外。
ただし多ければ多いで、少なければ少ないで問題があるのが信号機の難しいところ  

■ストレスが強いとどうなるのか?

 信号機の数が多く、1km走行あたりの密度も高い日本。当然そこを走るドライバーのストレスも大きい。

 映像では、交通心理学を専門とする実践女子大学の松浦常夫教授が「その心理的なストレスにより、交通事故や交通違反の大きな原因になる」と指摘している。

 さらにそうしたストレスは身体にも影響を及ぼす可能性がある、と。

 運転中のドライバーが死に至る原因のひとつに「脳内出血」があり、ドライバーにかかるストレスはその発生可能性を引き上げるという。

 うむむ、恐ろしい……。

かなりショッキングな可能性を示唆されると、「それなら……」と思ってしまうのだけど、<br>うーーん……  
かなりショッキングな可能性を示唆されると、「それなら……」と思ってしまうのだけど、
うーーん……  

(ここからは雑感です)

 ただ、うーん、なんとも釈然としないところも残る。

 この映像、早い話が「日本の都市部は信号だらけなので走ってるとストレスがたまる。ストレスは体によくないので、なるべくストレスが少ないクルマに乗りましょう。

 ノートe-POWERなんかは最適ですよ」という主旨で、なるほどその部分は納得なのだけど、「だったらクルマ乗らないほうがよくない?」という声が左肩の後ろあたりから響いてくるのは本企画担当だけでしょうか。

 運転中のストレスはなるべくないほうがいい、という話まではおおいに賛成だし、ノートe-POWERの独特な走行フィーリングがドライバーのストレス軽減に大いに役立つのもよくわかるんですよね。今回の映像も、大変勉強になりました。

 こうした具体的な数字をあげることの大切さもよくわかります。

 ただそれが「運転のストレスはヤバいぞ、早死にするぞ」というリスクと一緒に語られると、どうにも脅しに聞こえてしまうのです。

 クルマが好きで運転が好きなわたくしの個人的な意見としては、もし「運転することが(たとえそれが赤信号で止まることであっても)ストレスになり、

 体によくない」というのであれば、それを減らすのではなくて、「楽しめる方向」に工夫、技術進化してほしいし、そういう広報・啓発をしてほしいなと思うのでした。

 うーん、うーん、難しいですよね。難しいとわかっていながらも、そこをなんとかひとつ、と思います。はい。

 本映像はノートe-POWERの特設サイトにて公開されております。

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