スバルはなぜ唯一無二のメーカーと呼ばれ、評判が高いのか?

■サイドウィンドウの下端は1mm単位で議論

 そしてインプレッサは新しいプラットフォームが採用されて走行安定性や乗り心地をさらに向上させたが、0次安全で重視される側方と後方の視界は先代型に比べて悪化した。

 外観に躍動感を与える目的で、サイドウインドウの下端を後ろに向けて持ち上げたためだ。

 それでも例えばライバルのマツダアクセラやトヨタオーリスに比べれば視界は優れているが、あえて0次安全を大々的に掲げるスバルとしては、明らかな退歩だろう。

 そこで開発者に「スバルの代表となるインプレッサが視界を悪化させるとは、一体どういうつもりなのか。ほかのメーカーと同じように視界を堕落させるのか」と尋ねると、「インプレッサの視界については、社内全体で相当な議論があり、サイドウインドウの下端の位置は1mm単位で検討を重ねた。

 この高さと形状であれば、ギリギリではあるが視界の確保に支障はないと考えている」との返答であった。

■トヨタは全国4900店舗に対して、スバルは460店舗

 このほか販売面では、購入しにくいこともスバルの欠点だ。トヨタ86はトヨタ4系列の全国4900店舗で扱うが、姉妹車のスバルBRZは460店舗だ。トヨタの10%以下になる。

 日産の2100店舗、ホンダの2200店舗、マツダの1000店舗と比べても圧倒的に少ない。そのためにスバル車が欲しい場合、地域によっては遠方の販売店まで出向かねばならない。車検や点検の時にも面倒が発生する。

 これも先に述べたスバルの商売上手で、店舗数を限ったため、1店舗当たりの車両販売に伴う売り上げは日本車ディーラーではレクサスに次いで2番目に多い。店舗数を抑えて1店舗当たりの売り上げを伸ばせば、販売会社だけでなくメーカーも販売促進のコストを軽減できる。

 以上のようにスバルは、国内のメーカー別販売ランキングでは7位に位置しながら、商品力と販売効率では、ナンバーワンのメーカーになっている。

 ただし購入のしやすさについては改善を図るべきだ。店舗数の少ない地域では、スバルショップ(業販店)をさらに工夫したい。

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