■強気の日産ディーラー、値引きはゼロスタート
メーカーや系列店の日産&日産プリンス店は大変な力の入れようだ。
全国約3000の販売拠点に最上級のe-POWERハイウェイスターVを試乗車として配置し、見込み客には片っ端から実際にハンドルを握ってもらって、そのよさを知ってから商談に入る作戦で臨んでいる。
また現状では受注残を多数抱えていることもあり、強気の姿勢で売り込みを強化している。
「車両本体からの値引きはゼロ、オプションパーツの装備分を含めても10万円引きが限度ですね」
と首都圏ディーラーの(値引き)ガードが固い。
2018年2月の月間登録台数は、セレナが1万408台で早くも大台を突破。同カテゴリーを見回すと、このセレナに次いでヴォクシーが7980台、ステップワゴン6573台、ノア5865台、エスクァイア3802台の順となっている。
セレナがすでに先頭で突っ走っており、このまま2018年上半期を駆け抜けそうな勢いを感じさせている。
ただライバル他車は手をこまねいて見ているわけにはいかない。商談の現場で競合した時に備え、セレナe-POWER対策を練っているとのこと。
「セレナe-POWERは出足が好調なようだが、予想したよりも価格が高く、燃費もそれほどよくない。走りのスムーズさではヴォクシーのほうが上だ。低重心で運転のし易さ、取り回しの良さで勝負したい」(首都圏トヨタネッツ店)
「セレナe-POWERに乗ってみたが、しばらくアクセルを踏み込んで走ってからアクセルを離すと急に回生ブレーキが利いて違和感を覚える。後ろから来るクルマが驚いてぶつかりそうにならないか心配だ。
ステップワゴンスパーダハイブリッドとしては、スムーズでパワフルな走り、室内の広さ、ロングホイールベースによる高速での安定性、わくわくゲートによる荷物の出し入れの利便性などを強調し、売り込みを強化したい」(首都圏ホンダカーズ店)
と、それぞれ対抗心をあらわにして競合商談に備えている。
■セレナが最高値(さいたかね)、燃費も最高値(さいこうち)
日産セレナe-POWER、トヨタヴォクシーハイブリッド、ホンダステップワゴンスパーダハイブリッドに関して、価格と燃費は以下のとおり。
車両本体価格は、
◎ セレナe-POWER 296万8920〜340万4160円
◎ ヴォクシーハイブリッド/ノアハイブリッド 301万4280〜326万9160円
◎ ステップワゴンスパーダハイブリッド 330万480〜355万9680円
この3車ではステップワゴンスパーダが最も高く、次いでセレナe-POWER、ヴォクシー/ノアハイブリッドの順となる。
これに最新の平均値引きぶん、セレナe-POWER10万円、ヴォクシー/ノアハイブリッド20万円、ステップワゴンスパーダハイブリッド25万円を差し引くと、実質セレナe-POWERが最も高くなる。
燃費のカタログ数値は以下のとおり。
◎セレナe-POWER 26.2km/L
◎ヴォクシー/ノアハイブリッド 23.8km/L
◎ステップワゴンスパーダハイブリッド 25.0km/L
と最もセレナe-POWERがよく、次いでステップワゴンスパーダハイブリッド、ヴォクシー/ノアハイブリッドの順となる。
ただ実走行燃費や走り方によって差があるから、この数値はあまりあてにならないかもしれない。
商品性ではセレナe-POWERが静かでトルクフルな走り、広い室内と使い勝手のよさ、ヴォクシー/ノアが滑らかなで低重心による取り回しやすさ、ステップワゴンスパーダがロングホイールベースによる高速安定性と室内の広さ、からくりドアによる荷物の出し入れの利便性を売りにしており、ユーザーの好みによって分かれる。
実際には購入条件を含めて、ライバル他社との競合によってどちらかに軍配が上がることになりそうだ。
セレナe-POWERの登場によりこのカテゴリーの販売合戦に一気に加熱した。どのモデルを狙うにしても、競合させればよい条件が出やすくなっている。
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