マツダといえば今年、2018年に新車を1台も出さない。CX-5、アテンザ、ロードスターRFと大きめのマイナーチェンジは実施したが、型式が切り替わるフルモデルチェンジの予定も、新規車種の発売予定もない。
しかしそんなマツダも来年から再来年にかけて、社運をかけるような大きめな新型車の発売を用意している。
本稿ではそんな、勝負を仕掛ける新車3台の情報をお届けしたい。
文:ベストカー編集部、ベストカーWeb編集部
■次期アテンザ 2020年春登場
今年ビッグマイチェンを敢行したばかりのアテンザは、次期型で直6クリーンディーゼルエンジンを搭載したプレミアムFRサルーンに生まれ変わる。
「選択と集中」――。マツダは少数精鋭のラインアップで付加価値を高めたクルマ作りに邁進しているが、その象徴的存在となるのが次期型アテンザだ。次期型の登場は2年後の2020年とみられるが、新たにFRの上級Dセグメントサルーンとして発売される。
そのカギとなるのが昨年8月、米国特許商標局に申請された電動スーパーチャージャーに関する特許。そこで公開されたレイアウトでは、エンジンに電動スーパーチャージャーとツインターボがコンパクトに装着されているのだが、肝心なのは直4エンジンが縦置き、つまりFR車用のパワートレーンとして設計されていたことだ。
現在の潮流を見てもベンツが今年3月、20年ぶりに直6エンジンをSクラスに復活させたように、(かつて直6レイアウトは「スペース効率が悪く、衝突安全で不利になるので採用できない」とされていたが)いまは従来のV6なみにコンパクトに作れるようになっている。
そもそもマツダでは、同じ気筒数でエンジンに過給器をつけて排気量を下げるよりも、排気量ではなく気筒数そのものを減らす考え方が主流。
であるならば、直6で8気筒なみのパフォーマンスを持つ過給エンジン、すなわち次期アテンザは直6のクリーンディーゼルモデルとして登場すると考えるのがマツダの方向性に合致する。
ライバルとなる欧州のプレミアムDセグメント車は直4、2L直噴ターボや同PHVなどが主流となるが、そこにマツダは電動スーパーチャージャーとツインターボ化した直6の3L、SKYACTIV-Dを積んだアテンザで挑む。
また、この次期型アテンザをベースに4ドアクーペが派生モデルとして登場する可能性もある。欧州ではBMWのグランクーペなど4ドアクーペ市場が活況。そこにマツダがアテンザベースの4ドアクーペモデルを投入するのは充分に考えられる。
デザインは昨年の東京モーターショーで公開した「VISION COUPE」がベースとなり、FRらしい伸びやかなプロポーションを纏って登場することになるだろう。
■次期アクセラ 2019年秋登場
2019年秋に登場予定なのが次期アクセラ。昨年の東京モーターショーに出品された「魁CONCEPT」がデザインベースとなり、ライバルのVWゴルフ、ベンツAクラス、そしてカローラスポーツに対抗する世界戦略ハッチバックとして発表される。
東京モーターショーで会場中の注目を集めたデザインも気になるが、最大の特徴は新世代エンジン技術。マツダらしく内燃機関にとことんこだわった、次世代SKYACTIV技術「SKYACTIV-X」だ。
このエンジンはガソリンエンジンとディーゼルエンジンの利点をともに備えた「夢の技術」と言われており、すでに昨年、現行アクセラのボディを使った次世代プラットフォームを組み合わせたプロトタイプ車の試乗も実施している。
このエンジンは2019年登場予定の次期型アクセラに初搭載される見込みで、2Lで2.5Lなみのパフォーマンス、燃費は20%以上向上という。
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