タクシーのマナー 死亡事故増える現状は改善できるか?


交差点は乗降禁止なのに…問われる乗る側のマナー

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 タクシーは交差点付近で乗り降りをおこなうケースも多いが、運転者だけではなく、乗客にも責任はある(Chanclos / Shutterstock.com)

次は乗客の視点で考える。ここで可能な事故防止やマナーを守る方法も多い。

まずはタクシーに乗車する時のことを考えたい。横断歩道の付近は車道に出やすいから、そこでタクシーを停車させようとすることも多いが、交差点の5m以内は駐停車禁止場所だ。タクシーの乗り降りも行えない。

タクシーに手を上げる時も配慮が必要だ。すぐ近くまで接近した時に手を上げると、減速度が強くなり、タクシーが追突される危険を誘発する。タクシーが少し離れたところで手を上げて、スムーズに停車できるように配慮したい。

乗車して目的地を告げると、ほとんどのタクシーは即座に発進する。安全性を考えると、乗客がシートベルトを着用した後で運賃を表示するメーターのスイッチを入れて発進して欲しいが、そのようなタクシーは皆無だ。

この点をタクシードライバーに尋ねると「シートベルトの着用を待っていたら、乗客に怒鳴られる。いつも慌てて発進している」という。「急いでいるからタクシーを使う」わけで、即座の発進も理解できるが、安全面からは好ましくない。だから筆者は、いつも慌ててシートベルトを着用している。

「曲がるのはそこじゃない!」に潜む危険

この「慌て」も危険性を高める。稀に2車線道路の右側で空車のタクシーが信号待ちをしている時など、そこまで乗客が出向いて乗車していることがある。そもそも空車表示のタクシーが右車線にいること自体、危険を誘発するが、道路の中央まで出向く乗客にも問題がある。

乗車した後で、乗客がドライバーに「急いで行ってくれ」と告げるのも危険だ。高速道路を使える場合を除くと、「急いで」と言われても目的地の到着時刻は早められない。ドライバーの気分を不快にして、危険性を高めるだけだ。

そして、乗車したら目的地をドライバーに分かりやすく、的確に伝えることが大切になる。

伝え方が曖昧だったり、曲がる交差点を唐突に指示すれば、急に減速したり慌てて曲がることになってしまう。乗客が運転席に身を乗り出しながら説明して、一度減速したタクシーが再び加速する場面を時々見かける。

 「曲がるのはそこの角じゃない、あっちだ!」などと言っている様子だが、乗客もドライバーも、互いにそうならないよう注意したい。

都市部では同じ目的地へ行くのにも複数のルートがあり「アンダーパスをくぐるか、側道を行くか」で判断に迷うこともある。

これも乗車した段階で「この先のアンダーパスか、側道かは、渋滞の状況に応じて判断しましょう」と告げて、なるべく早い時点でルートを決める。それをしないなら、すべてドライバーに任せて文句は言わない。

東京五輪開催が迫るなか、新しいタクシー用車両も発売されたばかり。事業者、利用者、そして一般ドライバーも含めて、より安全なルールとマナーを見せられるか
東京五輪開催が迫るなか、新しいタクシー用車両も発売されたばかり。事業者、利用者、そして一般ドライバーも含めて、ルールとマナーを徹底し、より安全な日本の自動車環境を実現したい。(BT Image/Shutterstock.com)

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 タクシーでも、自分のクルマでも、最も優先すべきは安全だ。タクシーを利用する時も「どうすれば安全に乗車できるか」を重視する。そうすれば無理なことはしなくなり、乗客とドライバーのストレスも抑えられ、気持ち良く利用できるだろう。クルマを運転していて、タクシーに近づいた時の気持ちと対応も同様だ。

同じクルマなのだから、運転も、タクシーの利用も、本質に変わりはない。上下の違いもなく、立場は並列だ。