2025年1月24日(金)、ダイハツ工業はメディア向け説明会で、4回目となる「国土交通省への再発防止策進捗報告書提出」を実施したと明かした。ダイハツは2023年12月に認証不正が発覚、2024年1月に国交省から「自動車の型式指定申請に係る違反の是正命令」を受け、四半期ごとに再発防止策の進捗状況を報告することになっていた。問題発覚と再発防止策の取り組みから約一年が経過し、この(4回目の)「報告書提出」で国交省への報告もこれで終了となり、問題と再発防止に「ひと区切り」ついたかたちとなった。
文:ベストカーWeb編集部/画像:ダイハツ工業
■102項目の再発防止策すべて「実施済」と「継続して実施」に
「国交省への(再発防止策の進捗状況に関する)報告書提出は今回でひと区切りついたことになるが、今後とも継続する取り組みはあり、これで終わったというわけではありません。今回の反省をいかして、お客さまへ安心して乗っていただけるクルマを作り続けてまいります」
と語ったのは、ダイハツ工業の星加宏昌代表取締役副社長。2023年12月に認証不正問題が発覚してからずっと、担当役員として今回の対応をしてきた。
ダイハツが国交省へ提出した再発防止策は102項目。たとえば(経営陣による)「法令・ルール遵守及び正しい仕事を徹底していく決意を現場訪問し発信」は、この一年で合計138回実施された。経営陣による訪問、発信だけでなく、声掛けや激励、メンバーの苦労話に耳を傾けるなど「現場」とのコミュニケーションも行われ、今後はテーマを絞った座談会など新たな取り組みも実施していくという。
また「認証不正風化防止のため、再出発の日(12月20日)を設定」や「お客様に安心・安全をお届けする行動に移す為の学習館を設置」、「トヨタ・ダイハツのトップ同士の対話の場を定期的かつ継続的に設定」など、大きなものから小さなものまで「実施済」もしくは「継続して実施」の項目が並び、この一年間、ダイハツの社内風土を改善する施策が積みあがっていることが示された。
「社内の雰囲気は変わったか?」との記者からの質問に、「経営陣から現場の従業員までコミュニケーションが活発になり、雰囲気は上向きで、風通しがよくなったように感じます」とは前述の星加副社長。
雨降って地固まるではないが、「二度とあのような問題は起こさず、お客さまに迷惑をかけない」という目標に一丸となることで、社内の結束は固くなったという。
不正問題発覚からしばらく、新型車の開発や試験はほぼ止まっていたため、この数か月は現行車の法規対応を実施。そろそろメドがついた時期だが、新型車の開発は遅れており、発表発売のスケジュールは(当初の予定よりも)遅れるとのこと。
ダイハツの新型車の発売は遅れそうだが、それでも出せば売れる期待の新型車は数多く控えている。
大変な一年だったとは思うし、コツコツと再発防止策を積み上げてきたのはいかにもダイハツらしいとは思うが、そのうえで、「本当にダイハツは変わったのか」を証明するには、二度と認証不正問題を起こさず、いいクルマを作り続けるしかない。
小さくて安くていいクルマを作り続けてきたダイハツの底力を信じたい。期待しています。
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