【ペダル踏み間違い事故を減らすために】 どこまで防げる?? 安全技術の実態と限界

事故件数左右する「事故率と交通量」

 基本的な話をすると、交差点などで発生する事故件数は「事故率と交通量」によって決まる。

 形状が複雑で事故率の高い交差点は、シンプルな形状に改めたり、歩行者の横断中は車両の信号を全方向すべて赤にするなどの対策が考えられる。

 交通事故は主に「人や車が互いに接近すること」で発生するから、全方向の信号をすべて赤にする制御は、交差点の事故率低減に効果的だ。渋滞を招くなど難しい面もあるが、事故防止の対策として注目される。

 一方、交通量を抑えるには、高速道路やバイパスの建造が効果的だ。市街地を通過する車両の流入を抑えられるから、走行車両の数に加えて、その地域の道路環境に不慣れなドライバーも減らすことができる。

 以上は交通事故件数を抑制する基本的な考え方だが、最近発生している痛ましい交通事故は、必ずしもそこに当てはまらない。

交差点事故 防ぐための効果的な対策は?

最新の緊急自動ブレーキでは、夜間であっても歩行者に対応したシステムもある。ただし、車速を含めた状況次第では対応できない場合もある。事故予防には、道路インフラも含めた対応が求められる

 滋賀県大津市で発生した事故では、右折車両の過失によって直進車両と衝突し、この影響で直進車両が保育園児らの列に入り込んでしまった。

 つまり、交差点の対策としては、右折車と直進車による事故防止と、事故を発生させた車両が歩道に乗り上げないことの2つが求められる。

 大津市の場合、交差点の形状がT字路で、右折車両は大回りに曲がる。しかも交差点に面する歩道の角が曲線でRを描いているため、右折車両のドライバーから見ると、進む方向の目安が乏しくわかりにくい。

 そうなると、曲がる方向を一層注視することになり、直進車両への注意力が下がりやすい。交差点は「四つ角」になっていないと、ドライバーは右折しにくいのだ。

 このほかドライブレコーダーなどによって撮影された各種の事故映像を見て気になるのは、事故の当事者になったドライバーが、事故直後にブレーキペダルを確実に踏めていないことだ。

 衝突した後、車両がフラフラと緩慢に動いていることが多い。ドライバーが意識を失っていることもあるから一概にいえないが、異常が生じたらブレーキペダルを即座に強く踏むことが大切になる。

 車両側が、二次的な衝突被害を軽減するための緊急自動ブレーキを作動させる必要もあるだろう。

 いろいろな部署の人達が、連係して早急に具体的な対策を立てねばならない。

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